SSブログ

首里城火災は防げたのか? [国宝火災]

スポンサーリンク

薄毛は飲み薬で治る時代!悩まないで挑戦してみて下さい

防災センター要員を戦慄させた首里城火災、果たして防ぐ事は出来なかったのか?


2019年10月31日未明に沖縄県のシンボルと言われている首里城が焼け落ちました。

沖縄総合事務局は2020年2月26日、首里城の火災時に正殿の内外を撮影した防犯カメラ4台の映像を公開しました。

首里城火災.jpg

煙を感知した人感センサーの作動を受け、警備員らが消火器による初期消火を開始したのはセンサー作動から18分後だったことが映像から分かったのです。

消防が正殿に放水を介したのはセンサー作動の約30分後で、その時点で火元とみられる正殿北東部から南側にも火が広がっていて、初期消火に苦慮している様子が伺えたと言う事です。


園内68台の防犯カメラのうち、火災の様子を写した正殿内1台、外部3台の計4台のカメラ映像を編集されたものが同日に開かれた首里城復元に向けた技術検討委員会委員の防災ワーキンググループ会議で公開されたのです。

防犯映像公開 首里城消失

初期消火がセンサー作動から18分を要したことについて、国営沖縄記念公園事務所の鈴木武彦所長は「警備員らが消火器を持ち、どこで使おうか見定めている」と話し、同委員長の高良倉吉琉球大学名誉教授は「気づいた時には手が付けられなかったことが映像から分かる。改めて初期消火がいかに大事かと感じた」と述べています。


首里城火災の捜査終結を発表した沖縄県警は2月29日の発表で「火災の刑事責任は問えない」とも明かしています。

火災の原因が判然としない状況に沖縄県民は、「次の防火対策に生かせるのか?」と疑問を呈し、国や県、沖縄美ら海島財団の責任を問う声も上がっていますが、同時に一定の区切りがついたとして、十分な防火対策で再建に注力すべきだとの見方を有るようです。


前県立博物館・美術館長の安里進さんは「念入りに調べても分からなかったことは仕方が無いのかという印象だ」との見方を示しています。

安里さんは再建へ向けた国の技術検討委員や美術工芸品の修復手法などを検討する沖縄美ら海島財団の有識者委員も務めており「従来の文化財の火災対策の概念ではなく、思い切ったことを模索すべきだ。正殿周辺の利活用も安易に広げず、燃える原因を出来るだけ作らない事が必要だ」等と指摘しています。


首里城.jpg


首里城火災のDVDを見てわかるように初期消火がは始まったのがセンサー作動から18分後、遅いか早いかは問う物差しは有りませんが東京都内の防災センターで勤務している人から見て遅すぎる!と解釈されるのではないでしょうか。

我々防災センターに勤務している設備員や警備員の行動は絶えず時間との戦いになります。

発報してから何分以内で現場に到着するか!現地調査から初期消火まで何分で行えるのか!を訓練しています。


私の勤務している企業ビルでは1100人の社員、他に協力会社のスタッフを入れれば1200人を超えますし自衛消防隊が設置されていますが、営業中心でいますので自衛消防が活動できるかというと疑問ですね。

それだけの人命を防災センターに勤務してるスタッフは預かっているわけですから、いかに早く初期消火が出来るか!非難させる事が出来るか!1分1秒を争っている為、常駐警備員10人、設備員5名で昼間は対応しています。

但し、深夜は館内社員はわずか数人程度ですから、防災センタースタッフは設備員と警備員合わせて5人で済みます。






病院勤務の時には少し違いますが、患者スタッフ合わせて約1000人が固定人数で、来館者が随時100人程度(1日来院患者4~500人程度。他に面会者もいますから7~00人程度増えます)でしょうか、火災が起きればそれらの人を誘導しなければなりませんが、日中は自衛消防隊員がスタッフにいますので任せる事が出来ます。

しかし深夜は、患者が約480人スタッフが60人前後でしょうか、防災センターのメンバーは3人で対応していますが、深夜に火災が起きたり大規模地震などが発生した場合には対応は不可です。


マンションの場合は管理人が昼間は5人、夜は警備員が2名体制で対応という形で管理していました。

マンションの場合は居住者の方が自分の専有部を守ると言う事ですから、警備員や管理人は専有部より共有部の管理に力を入れており、居住者へは専有部のメンテナンス業者の紹介、相談等になります。


それぞれ対応の仕方が違いますがそれは権原者(オーナー)との契約によって制限があるため、必要以上の人材確保や行動が出来ないようになっているのです。

したくても出来ない、けれどできる事は確実に行わなければならない、これが防災センターに勤務している者の立場です。


前述したように病院の場合は、まず防災センターとしての在り方は特殊と言えるでしょう。

設定が最初から病院の病室からは火事が起きないから少なくて良い・・・という考え方ら始まっています、けれど実際は病室よりタバコによるボヤ騒ぎがありました。


また入院患者が工事関係者の不手際で屋上に上がり戻れなくなり火災報知機のボタンを押して発報、痴呆老人が火災報知機の受話器を取ったために発報、排煙機のボタンを押して発報、泡消火器設備が凍結で撥水発報などキリが有りませんでしたが報告をしても人が増える訳ではなく、少ない人数で対応して欲しい、警備や設備に余計なお金はつぎ込みたくないとさえ言われましたね。

病院の場合は医師や看護師優先で有り、設備や警備員に対しては契約会社であるため厳しい対応で、私が勤務していた時には仮眠室も撤去され、非常用エレベータの附室や診察室に簡易ベッドを運んで寝ていました。


このような体制の中でも即応態勢を維持しなければならないのが防災センター要員です、どのような場所に仮眠していても現場や防災センターに2~3分以内に戻れる、向かう事が出来るよう体制(制服の着の身着のまま)で仮眠しているのです。


ですから、首里城火災の場合に出動までなぜ多くの時間を要しているのかが分からない??・・・と都内の防災センターに勤務している者から見れば思ってしまうのです。

普段訓練しているの?報道された中で4台の放水銃のうち1台が無かった、1台の扉が開かなかったなどは問題外でしょう。


普段、毎日または週1程度で点検してるはずなので放水銃が使えなかったでは話になりませんし、警備員が駆け付けたときには火の海だった・・・天井に火が届いている場合には初期消火など出来る訳がないんです。


初期消火は炎の高さが1~1、5メートル位まで、天井に届いていればもう初期消火は出来ないと判断しなければならないのです。

扉を開けたら火の海だった、おかしいでしょう!防災センターが機能していないことがハッキリと分かりますよね。


警備会社を責めるつもりは有りませんし防災センター勤務者を責めるつもりは有りませんが、それぞれの契約という事情によって束縛されていることを知っていからです。

新しく再現されるであろう首里城、新しい史跡遺構などへの防災指針が出来ましたので二度と同じ間違いが起きないように、防災に趣を置いた設計施工、そして管理をしてもらいたいですね。


どんなに良い建造物でも、管理に力を入れていなければ簡単に消失破壊されてしまう事を忘れないでください。



参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
一般社団法人東京防災設備保守協会 防災センター要員講習テキスト
東京都首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 事業所における帰宅困難者対策ガイドライン
総務省消防庁 防災マニュアル
防災対策推進検討会議 自動車で安全かつ確実に避難できる方策
気象庁・局地的大雨から身を守るために 防災気象情報の活用の手引き
内閣府 防災情報のページより



スポンサーリンク



スポンサーリンク
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:地域

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。