避難所・仮設住宅の運営について(4)トイレ不足による震災関連死と衛生環境 [避難所運営]
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車中泊はエコノミー症候群の原因に、避難所では生活不活病の疑いも!
避難所でこれだけは注意して欲しい、配慮してい欲しい!と言われているのが高齢者へのトイレ問題です。
阪神淡路大震災では、避難所で多くの高齢者がなくなり、その人数は震災で亡くなった人の14%も占めたのです。
この様な形で亡くなった人達は「震災関連死」と呼ばれ、その主な原因は高血圧などの持病の悪化と肺炎でしたが、これらの病気悪化の背後には高齢者のトイレ問題があったのです。
熊本地震では地震そのものによる直接死が50人でしたが、地震後に負傷の悪化や避難生活等における身体的負担によって、その4倍に上る200人が亡くなっています。
避難所ではトイレの数が著しく少なく、しかも仮設トイレは居住スペースから遠くに設置されるケースが多いのです。
このため、トイレを頻繁に利用する高齢者は飲料水を控えるため結果的に体調を崩してしまう事に、このような事態を避けるためには高齢者が出来るだけトイレに近い場所で生活出来るようにしてあげるほうが良いでしょう。
被災地でのエコノミー症候群の原因は?
2004年の新潟県中越地震、2011年の東日本大震災、そして2016年の熊本地震では、エコノミー症候群による死亡が報告されています。
被災時のエコノミー症候群の原因として車中泊(車中避難者)が考えられています。
熊本地震では、1回目の地震の片付けで屋内にいた時に2回目の地震にあった恐怖感から自動車の中で避難生活を送る人が増え、それがエコノミー症候群の原因になった・・・とする意見がみられたのです。
しかし、車中泊でなくとも、長期間避難所生活が続いて足をあまり動かさなければ発症する可能性が高くなるのです。
新潟県中越地震の被災地である小千谷市や、熊本地震の被災地である西原村の避難所で行われた調査でも、避難所で暮らす複数人に血栓が確認された事が分かっています。
高齢者が発症しやすい点にも注意が必要で、熊本地震後から2016年9月29日までで県内で入院を必要としたエコノミー症候群患者数は累計52人で、うち34名が65歳以上となっていました。
多くの避難所は体育館や公民館などの公共施設で、高齢者も歩きやすいようにスロープなどのバリアフリー対策は施されていますが、しかし、避難所の出入り口は支援物質が入った段ボールが運び込まれたり、一時的に積んであったり、急ぎ足で往来する人も多いと思われます。
「足下が危ないから」と外出が億劫になり、結果的にあまり動かない高齢者が多くなってしまう可能性が多いのです。
熊本地震でのエコノミー症候群対策
熊本地震の避難所では高齢者に限らず、エコノミー症候群を予防するために様々な対策が行われました。
1)血液の循環を良くするため水分を補給する。
2)足首を回したり、足の指を「グー・パー」と広げたり閉じたりする体操を頻繁に行う。
3)ふくらはぎをマッサージすること
他にも段ボールベッドの提供や、予防効果があるとされている医療用男性ストッキング(着圧ストッキング)の配布も行われました。
生活不活発病に段ボールベッドの効果は大きいけれど
東日本大震災では、避難所の衛生環境の悪化が問題になりました。
被災地が夏場に入り気温と湿度が上がるにつれて、支給された布団や毛布、マットレスを天日干しや洗濯が出来ないまま長期間使用していたために、汚れがひどくなったり、カビやダニが発生、また避難所周辺ではハエやか蚊が大量発生したのです。
このように、こまめな洗濯や掃除が出来ない避難所は、ハウスダストやダニなどにより「喘息やアレルギー」症状のある人には非常に厳しい環境と言えるでしょう。
こうした健康被害を最小限に食い止めるには、寝具の交換や天日干し、大掃除を行ったり、掃除機、扇風機、除湿器や清掃用品、防虫剤、殺虫剤、布団乾燥機などの配布や、ボランティアや避難者自らが、避難所の衛生管理を行っていく必要があるのです。
東日本大震災では、「生活不活発病」の疑いがある高齢者も現れています。
生活不活発病とは聞きなれない病名ですが、「廃用症候群」とも呼ばれ、全身の心身機能が低下し、筋力が弱くなったり疲れやすくなったり、また頭の動きにが鈍くなり認知症のように見えることも有り、災害時、高齢者に起こりやすいのです。
予防対策としては、地域や家庭での高齢者の参加機会を増やし、日常生活の中で自然に頭と体を使える充実した生活を送れるよう、周囲の工夫が求められています。
高齢者等には段ボールベッドを用意することは健康悪化を防ぐためには効果的ですが、居住スペースが全て段ボールベッドで埋まることは好ましくあありません。
お互いに顔が見えて言葉を交わす、コミュニケーションが取れるオープンスペースも必要なのです。
参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
一般社団法人東京防災設備保守協会 防災センター要員講習テキスト
東京都首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 事業所における帰宅困難者対策ガイドライン
総務省消防庁 防災マニュアル
防災対策推進検討会議 自動車で安全かつ確実に避難できる方策
気象庁・局地的大雨から身を守るために 防災気象情報の活用の手引き
内閣府 防災情報のページより
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車中泊はエコノミー症候群の原因に、避難所では生活不活病の疑いも!
避難所でこれだけは注意して欲しい、配慮してい欲しい!と言われているのが高齢者へのトイレ問題です。
阪神淡路大震災では、避難所で多くの高齢者がなくなり、その人数は震災で亡くなった人の14%も占めたのです。
この様な形で亡くなった人達は「震災関連死」と呼ばれ、その主な原因は高血圧などの持病の悪化と肺炎でしたが、これらの病気悪化の背後には高齢者のトイレ問題があったのです。
熊本地震では地震そのものによる直接死が50人でしたが、地震後に負傷の悪化や避難生活等における身体的負担によって、その4倍に上る200人が亡くなっています。
避難所ではトイレの数が著しく少なく、しかも仮設トイレは居住スペースから遠くに設置されるケースが多いのです。
このため、トイレを頻繁に利用する高齢者は飲料水を控えるため結果的に体調を崩してしまう事に、このような事態を避けるためには高齢者が出来るだけトイレに近い場所で生活出来るようにしてあげるほうが良いでしょう。
被災地でのエコノミー症候群の原因は?
2004年の新潟県中越地震、2011年の東日本大震災、そして2016年の熊本地震では、エコノミー症候群による死亡が報告されています。
被災時のエコノミー症候群の原因として車中泊(車中避難者)が考えられています。
熊本地震では、1回目の地震の片付けで屋内にいた時に2回目の地震にあった恐怖感から自動車の中で避難生活を送る人が増え、それがエコノミー症候群の原因になった・・・とする意見がみられたのです。
しかし、車中泊でなくとも、長期間避難所生活が続いて足をあまり動かさなければ発症する可能性が高くなるのです。
新潟県中越地震の被災地である小千谷市や、熊本地震の被災地である西原村の避難所で行われた調査でも、避難所で暮らす複数人に血栓が確認された事が分かっています。
高齢者が発症しやすい点にも注意が必要で、熊本地震後から2016年9月29日までで県内で入院を必要としたエコノミー症候群患者数は累計52人で、うち34名が65歳以上となっていました。
多くの避難所は体育館や公民館などの公共施設で、高齢者も歩きやすいようにスロープなどのバリアフリー対策は施されていますが、しかし、避難所の出入り口は支援物質が入った段ボールが運び込まれたり、一時的に積んであったり、急ぎ足で往来する人も多いと思われます。
「足下が危ないから」と外出が億劫になり、結果的にあまり動かない高齢者が多くなってしまう可能性が多いのです。
熊本地震でのエコノミー症候群対策
熊本地震の避難所では高齢者に限らず、エコノミー症候群を予防するために様々な対策が行われました。
1)血液の循環を良くするため水分を補給する。
2)足首を回したり、足の指を「グー・パー」と広げたり閉じたりする体操を頻繁に行う。
3)ふくらはぎをマッサージすること
他にも段ボールベッドの提供や、予防効果があるとされている医療用男性ストッキング(着圧ストッキング)の配布も行われました。
生活不活発病に段ボールベッドの効果は大きいけれど
東日本大震災では、避難所の衛生環境の悪化が問題になりました。
被災地が夏場に入り気温と湿度が上がるにつれて、支給された布団や毛布、マットレスを天日干しや洗濯が出来ないまま長期間使用していたために、汚れがひどくなったり、カビやダニが発生、また避難所周辺ではハエやか蚊が大量発生したのです。
このように、こまめな洗濯や掃除が出来ない避難所は、ハウスダストやダニなどにより「喘息やアレルギー」症状のある人には非常に厳しい環境と言えるでしょう。
こうした健康被害を最小限に食い止めるには、寝具の交換や天日干し、大掃除を行ったり、掃除機、扇風機、除湿器や清掃用品、防虫剤、殺虫剤、布団乾燥機などの配布や、ボランティアや避難者自らが、避難所の衛生管理を行っていく必要があるのです。
東日本大震災では、「生活不活発病」の疑いがある高齢者も現れています。
生活不活発病とは聞きなれない病名ですが、「廃用症候群」とも呼ばれ、全身の心身機能が低下し、筋力が弱くなったり疲れやすくなったり、また頭の動きにが鈍くなり認知症のように見えることも有り、災害時、高齢者に起こりやすいのです。
予防対策としては、地域や家庭での高齢者の参加機会を増やし、日常生活の中で自然に頭と体を使える充実した生活を送れるよう、周囲の工夫が求められています。
高齢者等には段ボールベッドを用意することは健康悪化を防ぐためには効果的ですが、居住スペースが全て段ボールベッドで埋まることは好ましくあありません。
お互いに顔が見えて言葉を交わす、コミュニケーションが取れるオープンスペースも必要なのです。
参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
一般社団法人東京防災設備保守協会 防災センター要員講習テキスト
東京都首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 事業所における帰宅困難者対策ガイドライン
総務省消防庁 防災マニュアル
防災対策推進検討会議 自動車で安全かつ確実に避難できる方策
気象庁・局地的大雨から身を守るために 防災気象情報の活用の手引き
内閣府 防災情報のページより
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2020-03-31 07:00
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