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溶岩流・火砕流・火災サージによる災害とは? [火山噴火]

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火山から起こる災害は溶岩ばかりではない!他にもすべてを焼き尽くし物があった。



火山が噴火すると、火口から流出したマグマが火山の斜面を流下していきますがこれを「溶岩流」と呼び、水と同じように低い所に向かって移動していきます。

マグマは通常900℃から1200℃の温度なので、この範囲に山林や住居が有れば焼失し時には集落全体が埋没してしまう事になります。


日本では、1983年に三宅島の噴火で阿古の集落が埋没していますし、海外の例では1973年1月にアイスランドのヘイマエイ島で噴火が発生し、町の大半が溶岩流と噴石で埋め立てられてしまいました。

この時、溶岩流は港に向かって流下し、島の産業を支える漁港が埋没する恐れがあったため、溶岩に大量の海水を注いで、冷却・固化させて溶岩の堤防を作り、後続の溶岩流をこの堤防に阻ませて流路を変え漁港を救ったのです。


溶岩流を阻止するために、ブロックを積み上げて堤防を作る事もありますが、ブロックの密度は溶岩に比べて小さいために溶岩流によって持ち上げられて阻止できません。

イタリアのエトナ火山では溶岩流が頻繁にに流下し、住宅地などを埋積してきましたが、1980年代以降はどう流路を緊急に掘削して溶岩の流路を変更する試みを行い成果を上げています。







火砕流・火災サージによる災害

火砕流は、溶岩片などを含む高温の粉体(溶岩片と火山ガスの混合)が火山の斜面を高速で流れ下る現象を云い、内部温度は数百℃以上に達し、その流下速度は時速100kmを超えることも有ります。


火砕流.jpg


火災サージは、火砕流の先端や周囲に発生する比較的溶岩片の少ない熱風上の物ですが、その温度や速度は火砕流本体とほとんど変わりません。

したがって、火砕流や火災サージの通り道にあたったところではすべての物が焼き払われてしまい、生存者はありえないことになっています。


1990年11月に始まった雲仙普賢岳噴火では、1951年5月末から山頂に現れた溶岩ドームの一部が崩壊して発生する火砕流が頻発し始めました。

同年6月3日には、比較的規模の大きな火砕流・火災サージが発生し、死者・行方不明者43人の大惨事となってしまったのです。


火砕サージ.jpg


水蒸気噴火でも火砕流が発生することが有りますが、この場合は数百℃以下の温度で、樹木を焦がしたり発火させたりすることは有りません。

このような火砕流を低温火砕流と呼び、500℃以上に達する通常の火砕流と区別するときがあります。







山崩壊(山体崩壊)による災害

火山体の崩壊は大量の土砂移動を伴うため、大規模な災害にになる事が多く、火山山体は一般に、火山噴出物などが降り積もって出来たルーズな地形であり、火山活動に伴うガスなどによって変質が進んだ場所も存在しているため崩壊がしやすいと言えるでしょう。

このため、噴火や地震などによって大規模な崩壊が起こり、岩屑雪崩や土石流などが発生し、大きな災害につながる恐れがあります。


日本では1888年7月の磐梯山の水蒸気噴火によって大規模な山体崩壊が有名で、この時に発生した岩屑雪崩が麓の村々を埋没させると同時に、崩壊した土砂が川をせき止め、檜原湖や、秋元湖、五色沼などの幾つもの湖を造ったのです。

近年では、1984年9月の長野県西部地域地震による御嶽山の崩壊が有ります。


海や大きな湖に崩壊土砂が流れ込みますと、津波を発生させ、さらに被害を増大することが有ります。

海域での地震による津波と比べ、火山噴火に伴う津波に対して警報を出すことは困難なため、海域の火山が噴火している時には、海岸付近では細心の注意が必要となります。







土石流(火山泥流、ラハール)による災害

火山噴火で降り積もった火山灰などの細粒の噴出物には、雨水が染み込みにくいため、降水を集めて一挙に大量の流水となって、これが噴出物と共に流れ出して火山泥流(「土石流」と呼ぶことが多い)が発生します。

積雪が噴出物の熱で溶かされて大量の流水が発生し、噴出物と共に流れ出して泥流(土石流)が発生することも有り、これは「融雪型火山泥流」と呼ばれています。


火山泥流.jpg


噴火時の現象を「火山泥流」、噴火終了後の現象を「土石流」と区別することも有りますが、最近では外国での呼び方に倣って噴火時、噴火後を問わず、火山地域で発生する泥流・土石流を全て「ラハール」と呼ぶことも多いそうです。

土石流の速度は時には時速100km程度に達することも有り、火砕流と共に大規模な被害につながりやすいのです。


マグマ水蒸気噴火の際には、特に細粒の火山灰が放出されることが多く、このような場合には降雨の浸透性が悪いために、比較的少量の降雨でも土石流が発生することが有ります。

融雪型火山泥流は中部以北の火山で積雪時に噴火した場合、融雪型火山泥流が発生する可能性が有ります。



火山ガスによる被害

火山活動に伴って放出される火山ガスの大部分は水蒸気ですが、二酸化炭素、二酸化硫黄、硫化水素などの有害ガスも放出されます。

これらの有害ガスは大気よりも重いために、谷筋などに沿って流下したり、窪地に集積して被害をもたらすことが有るのです。


日本では、草津白根山や安達太良山などで、硫化水素による犠牲者が出た例があるほか、2000年の三宅島噴火では8月ごろから二酸化硫黄の噴出が始まり、9月には日量10万トンを超えるほど、大量噴出が数年以上にわたって継続したため、全島避難した住民が帰島出来るまで4年5ヵ月を要したのです。

2015年9月には二酸化硫黄濃度も下がったため、居住区域におけるすべての規制が解除されたのです。


このように排出される有害ガスによって避難を余儀なくされるだけではなく、規制が解除できなければ先祖代々続いた土地に戻れなくなってしまう場合も有るのです。




参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
一般社団法人東京防災設備保守協会 防災センター要員講習テキスト
東京都首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 事業所における帰宅困難者対策ガイドライン
総務省消防庁 防災マニュアル
防災対策推進検討会議 自動車で安全かつ確実に避難できる方策
気象庁・局地的大雨から身を守るために 防災気象情報の活用の手引き
内閣府 防災情報のページより




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