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地下空間の危険性と「駅ナカ」を考える [建築物]

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様々な災害を想定したリスク回避策は急務


益々広がる地下空間、地下40m下に進む開発、しかし、地下にはいまだ分からない部分もあると云うのですが、調布市の市道陥没事故は大きな問題を提起し、今だに市道や住居の地下部に大きな空間が発見されているのです。

調布市の場合には、東京外かく環状道路の地下トンネルルート上にある市道が陥没したわけですが、地下空洞について東日本高速道路(NEXCO東日本)の有識者委員会は「トンネルを掘るシールド工事が要因の一つ」とする中間報告をまとめました。

調布市の陥没事故.png


中間報告ではトンネルを掘っている地下約47mの深さに、小さな石の割合が高くシールドマシン(大型掘削機)で取り込みにくい地盤があると確認しています。

夜間の工事休止後にマシンのカッターが回転しなった為、動きやすいように地中に気泡を注入したところ掘削断面が緩み、トンネル上の土砂が落ち込んだと推定したのです。


NEXCO東日本では「陥没などのメカニズムが判明するまでは外環道のシールド工事は止める」との判断を示しましたが、地表から40m以上深い地下空間は2001年施行の大深度地下使用法により首都圏、中部圏、近畿圏の一部区域を対象に、公共目的の事業に使用が認められるようになりました。

大深度地下空間においては用地の買収は不要であり、東京外かく環状道路(外環道)やJR東海が進めるリニア中央新幹線など4件が認可されています。


リニア工事では、21年度初めに北品川非常口(東京都品川区)からシールドマシンが発信し、都内の大深度工事が始まる予定になっています。

リニア工事北品川首都圏第一トンネル.jpg


地盤工学の専門である芝浦工業大学・稲積真哉教授は東京新聞紙上で河川に近い地盤の砂などに含まれる地下水がシールドマシンの振動で分流して流れ出し、陥没や空洞が出来る現象は珍しくない「こうした現象は大深度でも起きる、リニアのトンネルも多摩川や中小河川の流れる地域を掘る。ボーリング調査の数を増やし、地中をレーダ探査するなど、事前に対策を考える必要がある」と解説しています。




地下空間とそのリスク

都市は年々その姿を変えてきていますが、特に地下空間の活用には著しいものが有ります。しかし、この地下空間において地震などの大災害に遭遇した場合の対策は、実はまだ決して十分であるとは言えないのです。

これから述べるのは、地下鉄と駅ナカなど地下にある商業エリアを巡る問題ですが、一番の問題は地下空間の危険性が知られていない事と、発展のスピードが速く、規制が後追いになってしまっていると云う事なのです。


地下空間にいる人の数は飛躍的に増えており、様々な災害を想定したリスク回避策は急務の対策と云えるでしょう。

大深度地下鉄.png


東京の地下鉄駅の場合、新しい線は古い線の下を通るために駅はどんどん深い所に造られる事になり、駅舎も次第に深い所に造られるようになり深い駅では地下40mを超える所にあるのです

もし、駅舎ではなく、地下鉄車内で災害に遭遇した場合を考えてみると、切迫して車外に出ようとした場合、緊急のドアの開閉装置はどこにあるのだろうか?実は地下鉄は車両によってバラバラで、まして今は地下鉄と私鉄との相互乘り合いが有るためさらに複雑化しており、分かりづらいのです。


このように地下鉄は地上車両も地下を走る、さらに車両によっても異なるなど緊急時への対応が標準化されていないと云う事から考えて行かなければなりません。

そして、一番懸念されている車両への送電線が線路近くに設置されているのは2路線(丸ノ内線・銀座線)ですが、あとの路線は地上軌道のように上から受電していますが、このような知識も共有はされていなのが現実です。




大深度地下は安全である?

地下は揺れが少ないと云う「安心神話」は信用が出来るのか?実はそのように考える人が多いのは確かですが、其れは地上と同じ強度の建築物であれば正しいのかも知れません。

しかし、揺れが小さいならそれらに応じて構造設計されるのが普通であるため、一概に地上より安全であるとは言い難いものがあります。


地下空間で怖いと考えられているのが、主に次のような事ではないでしょうか。

① 地震による構造的破壊で外に出られなくなるのではないか。

② 火災時は凄い煙で逃げ出せないのではないか。

③ 窓がないのため爆発が起これば一瞬にして炎に包まれるのではないか。

④ 水が流れ込んできたら水没してしまうのではないか。

また、「暗黒の空間に閉じ込められたら」という心理的な恐怖に対する配慮はどうなっているのだろうか、この問題は「度合いが高ければ高い程設計の安全レベルを上げる必要がある」というのが結論です。


防災上の課題として残っているのは、地下空間の使い方やその危険について、利用者・従業員にしっかりと理解させる工夫が殆ど行われていないことです。

危険な理由がどこにあり、どんな使い方をすると危険が起きるのか、また、安全のためにはどんな仕組みが用意されているのかの知識を持ち、それをどのように説明して理解して貰うかについて学習しておくことが求められます。




駅ナカの防災対策

一般的に言われている「駅ナカ」ですが、鉄道事業者が駅構内に展開する商業スペースの通称(従来はJRの用語であったが他の鉄道会社の類似スペースも同様に呼ばれるようになった)で、地上から地下までもそう呼ばれるなってきています。

ターミナル駅では近隣の商業施設と複合化しているなど、従来の駅としての機能は様変わりして来ている

駅ナカ.jpg


従来、駅舎は交通手段を利用するための場所として位置づけられているため、人が滞留する場所ではないとされています。

消防法では改札口の内側にはスプリンクラーの設置を義務付けていませんが、ターミナルビルは「複合用途防火対象物」にあたるため、スプリンクラーの設置は義務付けられています。


その結果、大きなターミナルビルの駅ナカはスプリンクラーは必要ですが、小さな駅の駅ナカには義務化されていない所が多く、また、コンコースやプラットホームは不要となっています。

地下であれば、一般商業施設と同様の避難、誘導の問題が有り、乗降客への対応と共に混乱の危険性が存在していると云っても過言ではないでしょう。






参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
一般社団法人東京防災設備保守協会 防災センター要員講習テキスト
東京都首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 事業所における帰宅困難者対策ガイドライン
総務省消防庁 防災マニュアル
防災対策推進検討会議 自動車で安全かつ確実に避難できる方策
気象庁・局地的大雨から身を守るために 防災気象情報の活用の手引き
内閣府 防災情報のページ
環境省 人とペットの災害対策ガイドライン
長野県諏訪地域振興局 長野県魅力発信ブログ
月間総務オンライン 総務辞典

より




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