SSブログ

防災センターとは? [防災センター]

防災センターで必要な資格



防災センターって皆さんご存知ですか?・・・・知らない人が多いですよね。

実は大型商業施設や企業の入っているビル、病院などに設置されているのですが一般の方が目にする場所にはありません。


しかし、皆さんが目にしている火災報知機が作動した場合に火事や地震を感知する場所、そして皆さんにお知らせする場所が防災センターです。

そして中で働いているのが防災センター要員と呼ばれる方々で、主に設備員、警備員の方が管理運営しています。


中で働くにはそれなりの資格が必要で、東京都では防災センター要員講習修了者自衛消防業務講習修了者自衛消防技術認定者上級救命講習修了者などが必要となっています。

防災センター要員修了証.jpg
自衛消防技術認定証.jpg

この中で必須なのは防災センター要員講習修了証+自衛消防技術認定証の所持者でなければ成らないと規定されていますが、この規定は東京都だけです。


近年における防火対象物は大規模、高層、深層化が進み、同時に複合用途化、管理形態が複雑化し、在館者の安全を確保するための対策が重要なことから、東京都では火災予防条例において、一定の要件に該当する防火対象物に防災センターの設置を義務付け、また、消防法においても一定要件に該当する防火対象物に、総合操作盤の設置を義務付けているのです。

その総合操作盤は防災センター、中央管理室、守衛室その他これらに類する場所(防災センター)の常時人がいる場所に設ける事とされています。


防災センターは、通常は消防用設備等やその他各種設備の作動や故障等の状態監視を行いますが、火災等の災害が発生した場合には、災害情報の収集、伝達等を行う自衛消防活動所の拠点となります。

防災センターは、火災等の災害発生から鎮圧までの災害時における活動を適切かつ効果的に管理運営する極めて重要な役割を担っているのです。
(自衛消防業務講習・防災センター要員講習テキストより抜粋)





防災センター要員講習は?

防災センター要員講習修了証を貰うには、一般社団法人東京防災設備保守協会主催の2日間の講習日程を終了しなければなりませんが試験は簡単な者であり、特別難しいと云うものでは有りません。

ただ二日目に行われる実技講習は意義のあるもので、インパクトセッションにて実際に火災が起きた場合を想定した防災センターに勤務するものが身につけなければならない行動を覚える事が出来ます。


初日は座学中心ですが、昼休みにはロープワーク(希望者)が有ったり何かと身につけなければならないことを覚える事が出来ますので勉強になります。

二日目は午前中座学と試験、そしてインパクトセッション、地震災害が発生した時を想定した災害トリアージを勉強して終了となります。


講習が終われば東京都の場合は、防災センター要員講習修了証・自衛消防業務修了証(一般社団法人日本消防設備安全センター発行)が取得できます。

あくまで講習ですから実際に自分の勤務している防災センターに戻ってからの差異は仕方が有りませんが、其れでも知っているのと知らないのでは大きな差があります。


私の経験や諸先輩の話では、防災センターに勤務して実際に火事を経験した人は少ないのだとか、その為消防用エレベータの使用方法など忘れてしまった、放送文言がスムーズに出ない、階段が走れないというセンター要員もいるそうです。

私の場合はマンション管理でボヤ騒ぎもありましたし、病院では患者が病室内でタバコを吸ってベッド脇下のゴミ箱に捨てたために煙が出て煙感知器が作動したことも有りました。


特に団地型マンションの場合に子供たちが火災報知機を悪戯するというハプニングも、病院でも痴呆老人の方が火災報知機内にある受話器を取って家族と話そうとしたり、企業ビルでは外国人の方が排煙機のボタンや多目的トイレの緊急呼び出しボタンを押したり等々、その度に火災警報や緊急呼び出しが発報すると云う日々に追われていますので、ここで紹介していたらキリが有りません。

そのたびに防災センターに勤務する者は対処しなければなりません、これは仕事ですから仕方がない・・ではなく真火災だったら!、トイレで苦しんで倒れていたら!と考えるだけでゾッとしますよね。


そのための技術を取得する必要が、会社からの要請も有るかも知れませんが自ら取る人も多いのです。

私はすべて自費で取得しましたがこれには理由がありましたので、会社で負担してもらえるところが多いと思いますので相談してみてはいかがでしょうか。


講習会申し込みは一般社団法人東京防災設備保守協会のHPからできます。


参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
一般社団法人東京防災設備保守協会 防災センター要員講習テキスト
東京都首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 事業所における帰宅困難者対策ガイドライン
総務省消防庁 防災マニュアル
防災対策推進検討会議 自動車で安全かつ確実に避難できる方策
気象庁・局地的大雨から身を守るために 防災気象情報の活用の手引き
内閣府 防災情報のページより

スポンサーリンク
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

自衛消防技術認定証とは? [防災センター]

東京都内の防災センター勤務者必要資格



東京都内の防災センターの三つの資格の一つでこの資格だけは試験があります。

防災センターに勤務する方は防災センター要員講習修了証、上級救命講習修了証、そして自衛消防技術認定証が必要となりますが、これは東京都内だけで他県では必要とされていません。


しかし、近隣の神奈川県や埼玉県、千葉県などの防災センターでは必要としてる所もあるようです。

この資格は講習だけでは取得できなくて学科試験と実技試験とがあり、合格率は60~80%くらいでしょうか?なかなか難しいものです。


自衛消防技術認定試験申し込みは東京都内の消防署にて申込書を入手することから始まり、写真撮影、申込書記入して受験金額を添えて消防署に提出します。

申し込みを受理されますと受験番号を記入されたはがきが返されますので、それを持って試験場に行くことになります。


試験日程は東京消防庁のホームぺージにて確認してください。

必要な教科書類も販売しておりますのでご確認の上、願書だけを近隣の所轄の消防署に提出してくださいね。


学科試験棟を勉強するには、便利な試験講習が用意されていますし、民間の会社でも講習会を実施していますのでご利用ください。


自衛消防技術試験受験準備講習会

モガミファイヤー21



しかし、近隣の神奈川県や埼玉県、千葉県などの防災センターでは必要としてる所もあるようです。






この資格は講習だけでは取得できなくて学科試験と実技試験とがあり、合格率は60~80%くらいでしょうか?なかなか難しいものです。


自衛消防技術認定証.jpg



学科を勉強する方には便利なHPもありますのでご紹介いたします。

防災ラボ

このサイトはすごく便利で、自衛消防技術認定ばかりではなく他の消防関連の紹介もされていますので活用してみて下さい。

私もそうですが、私の仲間の多くもこのサイトを利用して学科を勉強して合格しています。


さて試験ですが学科試験は二種類、実技試験がありまして、消防関係法令・自衛消防業務に関する実務と集団実技、そして実技試験があります。

消防関係法令や集団実技の学科は、前述の防災ラボや個人の勉強で何とかなるのですが実技は難しいですね。


私は深夜に防災センターに設置されている監視盤を利用してマイクのプルトークを握らないで放送の練習をしたり、YouTubeを見たりして勉強していました。


自火報受信機停止方法

1号消火栓取り扱い方

参考にしてみてください、自衛消防技術認定講習を受ける方は実技講習をしっかりと覚えてくださいね。

実技試験は二問ですが、上手く出来ていない人は4問まで行われると聞いていますが、残念ながら私の場合は二問で終わりましたので、詳しい事は良く分かりません。


画面で問題を見てからすぐに試験が始まりす、私の場合は集合雑居ビルで20階の病院から出火するという想定で始まりました。

いきなり頭の上からサイレンが鳴り始めて、主音響停止、表示されているアドレスから20階病院を選出、マイクを持って在館者に放送案内をすると云うものです。


限られた短い時間内で処理しますので一瞬慌ててしまいますが、深呼吸をしてから始めると意外とうまくいくようです。

二問目は、あなたは防災センター要員です。館内に人が倒れているのを発見しました、あなたはどのように対処しますか。


と云うものでしたが、答えはそれぞれ考えてみて下さい。

実技試験はわずか5分弱で終わりましたので合格したのか不安でしたが、合格のハガキが届きまして今では活用して仕事に励んでいます。



参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
一般社団法人東京防災設備保守協会 防災センター要員講習テキスト
東京都首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 事業所における帰宅困難者対策ガイドライン
総務省消防庁 防災マニュアル
防災対策推進検討会議 自動車で安全かつ確実に避難できる方策
気象庁・局地的大雨から身を守るために 防災気象情報の活用の手引き
内閣府 防災情報のページより

スポンサーリンク
nice!(0)  コメント(0) 

上級救命講習って? [防災センター]

防災センターや介護施設に勤務する人や保育園や教師、地域ボランティア等の方は受けて欲しい



私たちは何時どこで心臓の動きが悪くなるのか分かりません。

そのためにも身に着けて欲しいのが胸骨圧迫とAEDの活用ですが、いまだに知らない人は多いのです。


私たち防災センターに勤務している者にとって、在館者はもとより通勤時や買い物時などで遭遇した時に人命を助ける事が出来るように身に着けてもらいたいのです。

東京都内の防災センターでは防災センター要員講習修了証、自衛消防技術認定証に合わせてこの上級救命講習修了証が必須となっている所が多いのです。


出来るだけ多くの人の命を救う事を目的に行われている講習会に参加するだけで、この技術を身に着ける事が出来ます。

これらの講習会は各地域の所轄消防署で講習日程を確認の上身に着けてください。


講習修了証の期限は2~3年と言われていますが、これは講習を受けても2~3年内に倒れている人に遭遇することがないことが多いため、技術を忘れてしまうので再度確認という意味で再受講を進めているようです。

新しい知識や技術が変わったりしている場合も有りますので、2~3年たったら再受講をしてくださいね。


上級救命・胸骨圧迫からAEDまでの流れとして参考にして下さい

上級救命講習内容


【日本赤十字社】一次救命処置(BLS) ~心肺蘇生とAED~ (字幕あり)







胸骨圧迫を出来るだけ早く行う事で後遺症の少ない蘇生が出来ると言われています。

また胸骨圧迫時にろっ骨骨折やAEDを装着するときに肌を露出させることが有りますが、人命優先のためご了承ください。

上級救命講習.jpg

最近の講習会では女性への対応の場合に人の壁を作って肌が周りの人に見えないように配慮すると言う事を行うようになってきましたが、人が少ない場合には難しいこともあります。

数年前にSNS上で有る女性が男性にAEDを付けられたら訴えると言う事が拡散されましたが、人命優先、人の尊厳を守るという観点から誤解を招かないよう配慮をしているつもりですが中々理解はして貰えないようです。


海外では「良きソマリア人の法」という解釈がありますが、残念ながら日本ではこの法は適用されません。

しかし、人命において緊急避難と言う事でご理解を頂いているのです。


多くの方に上級救命講習を受けて救える命を出来るだけ多く助けてあげたいものです。

皆さんの住んでいる市町村の消防署に確認してください、もしあなたの家族が倒れたら助けるのは貴方と言う事を忘れないでください。




参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
一般社団法人東京防災設備保守協会 防災センター要員講習テキスト
東京都首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 事業所における帰宅困難者対策ガイドライン
総務省消防庁 防災マニュアル
防災対策推進検討会議 自動車で安全かつ確実に避難できる方策
気象庁・局地的大雨から身を守るために 防災気象情報の活用の手引き
内閣府 防災情報のページより
スポンサーリンク
nice!(0)  コメント(0) 

国宝火事で考えさせられた防災力 [国宝火災]

沖縄県の首里城火災やパリのノートルダム大聖堂から考える防災


パリのノートルダム火災や沖縄の首里城火災を受けまして、文化庁は世界遺産や国宝などの防火対策のための5か年計画を昨年暮れ(2019年12月23日)に策定しました。

2014年までに集中的に進める内容で、首里城のように建築物そのものは国宝や重要文化財(重文)でなくても、史跡などに立つ建造物も対象としています。


計画では建物の立地や部材に応じた設備や点検、巡回体制などを示したガイドラインに沿って防火対策を進めると云うものです。

中でも、世界遺産や国宝の建造物を優先的に進める事とし、スプリンクラー設置などの補助率を最大85%とする対象を今より広げる内容となっています


国宝・重文しての建造物は消防法で自動火災報知設備の設置が義務付けられていますが、指定されていない復元建造物や神社や寺、あずま屋などは対象外となっていました。

沖縄の本土復帰後に復元された首里城も、地下遺構は史跡で周辺の遺構と共に世界文化遺産に登録されましたが建物は指定されていませんでした。


首里城火災後の文化庁の緊急調査では、世界遺産の史跡や名称などに立つ復元建造物55棟のうち25棟が自動火災報知設備を設置していなかったことが分かったのです。

文化庁はこれらの建造物も補助の対象とする方針です。




日常的な火気管理、出火防止策

管理を徹底するため、タバコ、焚火、灯明・ろうそく・線香、取り灰、火消壺、火鉢等、火器利用の際に確認するべき項目についての点検表を策定し、点検を実施しましょう。

電気配線及び器具について、漏電や加熱などによる出火が無いように整然と配置されて居るか等について点検票を策定し、点検を実施しましょう。


火災の早期覚知

自動火災報知設備が設置されており、定期的な点検を実施しると共に経年劣化等による機能低下がみられないかを確認しましょう。

未設置の場合、早急に自動火災報知設備を設置しましょう(消防法施工例第32条に基づく特例により設置免除される場合を除く)、また点検が行われていない場合は定期的な点検を実施しましょう。


受信機は発報した際に迅速に駆け付けられる場所にある事を確認しましょう。駆け付けられる場所にない場合は受信機を移動するか、副受信機を設置するなどの対策を検討しましょう。



初期消火対策

消火器具(消火器、バケツ等)が設置されており、定期的な点検を実施する共に経年劣化等による機能低下がみられないかを確認しましょう。

未設置の場合、早急に消火器具を設置しましょう。また点検が行われていない場合は定期的な点検を実施しましょう、また機能低下がみられる場合は、定期点検の結果を踏まえ業者と相談し設備を更新しましょう。


既存の屋内消火栓設備等の消火設備を使用し、夜間などを含め常時円滑な消火活動が行えるか確認しましょう。

消火体制の確保について関係者等と協議する。


一人でも操作可能な易操作性の消火栓設備への更新を検討する。

ホースの口径を細いものにするなど、操作性を向上させることを検討する。


既存の屋内消火栓設備の消火設備は定期的な点検を実施すると共に、経年劣化等による機能低下がみられないかを確認しましょう。

機能低下がみられる場合は定期的な点検の結果を踏まえ業者と相談し、設備を更新するなどの対応を検討しましょう。


既存の屋内消火栓設備の消火設備を用いた訓練を定期的に行いましょう。


漏電火災対策

漏電火災警報器が設置されており、定期的な点検を実施するとともに、経年劣化等による機能低下がみられないかを確認しましょう。

未設置の場合、ラスモルタル構造を有している建造物については、早急に設置しましょう。それ以外の建造物においては漏電火災警報器または漏電ブレーカーの設置を検討しましょう。


また点検が行われていない場合は、定期的な点検を実施しましょう。機能低下がみられる場合は定期的な点検の結果を踏まえ業者と相談し、設備を更新するなどの対応を検討しましょう。

電気配線を確認して、漏電の恐れがないか確認しましょう。


古くなった電気配線の交換等の対応を検討しましょう。








耐震対策

重要文化財(建造物)耐震診断指針(平成11年4月8日文化財保護部長裁定、平成24年6月21日改正)等に基づき耐震診断を実施し、耐震性が確保されているか確認しましょう。

耐震診断を実施していない場合は耐震診断を実施し、診断の結果補強が必要な場合は文化財の特性に配慮して耐震補強を実施しましょう。


電気火災防止対策

感震ブレーカ等の電気火災防止策が講じられているか確認しましょう。

感震ブレーカー等の電気火災防止対策を検討しましょう。地震時に避難する前にアンペアブレーカーを切るなど、安全確認項目を定め、関係者で周知徹底しましょう。


復電する際の安全確認項目を策定しましょう。

復電する場合には、事前にガス漏れ等が無い事や電気製品や電気配線の損傷の有無を確認する等安全確認項目を定め、関係者間で周知徹底を出来るようにしましょう。


警戒の徹底

巡視や監視(人感センサーや監視カメラによる機械警備を含む)が実施されているか確認しましょう。

定期的に巡視や監視を実施しましょう。


拡大防止策

高い天井や小屋組等、火災時に所有者等により初期消火を有効に行う事が困難である部分に対して、次に掲げるような火災の拡大防止策が講じられているか確認しましょう。


・スプリンクラー設備等の設置

・界壁や防火区画の設置


文化財の保存に影響を与えない範囲で修理等の機会等を捉えて、文化財建造物の状況に応じた火災の拡大防止策を検討しましょう。

火災時に所有者等により初期消火を有効に行う事が可能である部分に対して、屋内消火栓設備等の消火設備が設置されているか確認しましょう。


火災時に所有者等により初期消火を有効に行う事可能である部分に対して、屋内消火栓設備等の消火設備の設置を検討しましょう。

また設置した際には、出火時の対応を訓練等を通じて関係者と協議しておきましょう。


延焼防止策

消火設備により、屋内全体に円滑に放水できるか確認しましょう。

下記のような対応により、屋根全体に円滑に放水出来るように対応を検討しましょう。
(なお、これらの設備は、実際に屋根面に着火した場合、消防隊が到着するまでの火災拡大防止対策にも利用可能な設備となり有効な設備です)


例・放水銃を設置する
 ・ドレンチャーを設置する
 ・屋外消火栓設備を設置する


火災の早期覚知

大規模な屋根を植物性材料で葺いている場合は、屋根を警戒する警報設備が設置されているか確認しましょう。

下記のような対応により、屋根全体を警戒できるように対応しましょう。


例・赤外線センサー(自動火災報知設備の受信機に接続しないもの)を設置する

 ・炎検知器(自動火災報知設備の受信機に接続するもの)を設置する。


初期消火対策

屋根を警戒する既存の消火設備は、定期的な点検を実施するとともに、経年劣化等による機能低下がみられないか確認しましょう。

点検が行われていない場合は、定期的な点検を実施しましょう。


また、機能低下がみられる場合は、点検の結果を踏まえ業者と相談し、設備を更新するなどの対応を検討しましょう。


屋根を警戒する既存の消火設備を用いた訓練を定期的に行いましょう。

火気の管理を徹底するため、タバコ、焚き火、燈明・ろうそく・線香など火気利用の際に確認するべき項目についての点検表を策定し、点検表に基づき点検を実施しましょう。


外周部を警戒する警報設備が設置されているか確認しましょう。

下記のような対応により、外周部全体を警戒できるように対応を検討しましょう。


例・赤外線センサー(自動火災報知設備の受信機に接続しないもの)を設置する

 ・炎検知器(自動火災報知設備の受信機に接続するもの)を設置する。



ガイドラインの中で、所有者等によるガイドラインを活用した自主点検項目では次のように書かれています。

所有者等が建造物の燃焼特性(脆弱性)を理解すると共に、防火設備等の整備、訓練の充実、その他の防火対策について検討・実施することに役立つ内容となっていますので幅広くご活用いただきたいと考えています。


他にも指針が提示されていますが、防災センターに勤務している立場の物と指摘になる部分だけを抜粋しております。



参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
一般社団法人東京防災設備保守協会 防災センター要員講習テキスト
東京都首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 事業所における帰宅困難者対策ガイドライン
総務省消防庁 防災マニュアル
防災対策推進検討会議 自動車で安全かつ確実に避難できる方策
気象庁・局地的大雨から身を守るために 防災気象情報の活用の手引き
内閣府 防災情報のページより
スポンサーリンク
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:住宅

首里城火災は防げたのか? [国宝火災]

防災センター要員を戦慄させた首里城火災、果たして防ぐ事は出来なかったのか?


2019年10月31日未明に沖縄県のシンボルと言われている首里城が焼け落ちました。

沖縄総合事務局は2020年2月26日、首里城の火災時に正殿の内外を撮影した防犯カメラ4台の映像を公開しました。

首里城火災.jpg

煙を感知した人感センサーの作動を受け、警備員らが消火器による初期消火を開始したのはセンサー作動から18分後だったことが映像から分かったのです。

消防が正殿に放水を介したのはセンサー作動の約30分後で、その時点で火元とみられる正殿北東部から南側にも火が広がっていて、初期消火に苦慮している様子が伺えたと言う事です。


園内68台の防犯カメラのうち、火災の様子を写した正殿内1台、外部3台の計4台のカメラ映像を編集されたものが同日に開かれた首里城復元に向けた技術検討委員会委員の防災ワーキンググループ会議で公開されたのです。

防犯映像公開 首里城消失

初期消火がセンサー作動から18分を要したことについて、国営沖縄記念公園事務所の鈴木武彦所長は「警備員らが消火器を持ち、どこで使おうか見定めている」と話し、同委員長の高良倉吉琉球大学名誉教授は「気づいた時には手が付けられなかったことが映像から分かる。改めて初期消火がいかに大事かと感じた」と述べています。


首里城火災の捜査終結を発表した沖縄県警は2月29日の発表で「火災の刑事責任は問えない」とも明かしています。

火災の原因が判然としない状況に沖縄県民は、「次の防火対策に生かせるのか?」と疑問を呈し、国や県、沖縄美ら海島財団の責任を問う声も上がっていますが、同時に一定の区切りがついたとして、十分な防火対策で再建に注力すべきだとの見方を有るようです。


前県立博物館・美術館長の安里進さんは「念入りに調べても分からなかったことは仕方が無いのかという印象だ」との見方を示しています。

安里さんは再建へ向けた国の技術検討委員や美術工芸品の修復手法などを検討する沖縄美ら海島財団の有識者委員も務めており「従来の文化財の火災対策の概念ではなく、思い切ったことを模索すべきだ。正殿周辺の利活用も安易に広げず、燃える原因を出来るだけ作らない事が必要だ」等と指摘しています。


首里城.jpg


首里城火災のDVDを見てわかるように初期消火がは始まったのがセンサー作動から18分後、遅いか早いかは問う物差しは有りませんが東京都内の防災センターで勤務している人から見て遅すぎる!と解釈されるのではないでしょうか。

我々防災センターに勤務している設備員や警備員の行動は絶えず時間との戦いになります。

発報してから何分以内で現場に到着するか!現地調査から初期消火まで何分で行えるのか!を訓練しています。


私の勤務している企業ビルでは1100人の社員、他に協力会社のスタッフを入れれば1200人を超えますし自衛消防隊が設置されていますが、営業中心でいますので自衛消防が活動できるかというと疑問ですね。

それだけの人命を防災センターに勤務してるスタッフは預かっているわけですから、いかに早く初期消火が出来るか!非難させる事が出来るか!1分1秒を争っている為、常駐警備員10人、設備員5名で昼間は対応しています。

但し、深夜は館内社員はわずか数人程度ですから、防災センタースタッフは設備員と警備員合わせて5人で済みます。






病院勤務の時には少し違いますが、患者スタッフ合わせて約1000人が固定人数で、来館者が随時100人程度(1日来院患者4~500人程度。他に面会者もいますから7~00人程度増えます)でしょうか、火災が起きればそれらの人を誘導しなければなりませんが、日中は自衛消防隊員がスタッフにいますので任せる事が出来ます。

しかし深夜は、患者が約480人スタッフが60人前後でしょうか、防災センターのメンバーは3人で対応していますが、深夜に火災が起きたり大規模地震などが発生した場合には対応は不可です。


マンションの場合は管理人が昼間は5人、夜は警備員が2名体制で対応という形で管理していました。

マンションの場合は居住者の方が自分の専有部を守ると言う事ですから、警備員や管理人は専有部より共有部の管理に力を入れており、居住者へは専有部のメンテナンス業者の紹介、相談等になります。


それぞれ対応の仕方が違いますがそれは権原者(オーナー)との契約によって制限があるため、必要以上の人材確保や行動が出来ないようになっているのです。

したくても出来ない、けれどできる事は確実に行わなければならない、これが防災センターに勤務している者の立場です。


前述したように病院の場合は、まず防災センターとしての在り方は特殊と言えるでしょう。

設定が最初から病院の病室からは火事が起きないから少なくて良い・・・という考え方ら始まっています、けれど実際は病室よりタバコによるボヤ騒ぎがありました。


また入院患者が工事関係者の不手際で屋上に上がり戻れなくなり火災報知機のボタンを押して発報、痴呆老人が火災報知機の受話器を取ったために発報、排煙機のボタンを押して発報、泡消火器設備が凍結で撥水発報などキリが有りませんでしたが報告をしても人が増える訳ではなく、少ない人数で対応して欲しい、警備や設備に余計なお金はつぎ込みたくないとさえ言われましたね。

病院の場合は医師や看護師優先で有り、設備や警備員に対しては契約会社であるため厳しい対応で、私が勤務していた時には仮眠室も撤去され、非常用エレベータの附室や診察室に簡易ベッドを運んで寝ていました。


このような体制の中でも即応態勢を維持しなければならないのが防災センター要員です、どのような場所に仮眠していても現場や防災センターに2~3分以内に戻れる、向かう事が出来るよう体制(制服の着の身着のまま)で仮眠しているのです。


ですから、首里城火災の場合に出動までなぜ多くの時間を要しているのかが分からない??・・・と都内の防災センターに勤務している者から見れば思ってしまうのです。

普段訓練しているの?報道された中で4台の放水銃のうち1台が無かった、1台の扉が開かなかったなどは問題外でしょう。


普段、毎日または週1程度で点検してるはずなので放水銃が使えなかったでは話になりませんし、警備員が駆け付けたときには火の海だった・・・天井に火が届いている場合には初期消火など出来る訳がないんです。


初期消火は炎の高さが1~1、5メートル位まで、天井に届いていればもう初期消火は出来ないと判断しなければならないのです。

扉を開けたら火の海だった、おかしいでしょう!防災センターが機能していないことがハッキリと分かりますよね。


警備会社を責めるつもりは有りませんし防災センター勤務者を責めるつもりは有りませんが、それぞれの契約という事情によって束縛されていることを知っていからです。

新しく再現されるであろう首里城、新しい史跡遺構などへの防災指針が出来ましたので二度と同じ間違いが起きないように、防災に趣を置いた設計施工、そして管理をしてもらいたいですね。


どんなに良い建造物でも、管理に力を入れていなければ簡単に消失破壊されてしまう事を忘れないでください。



参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
一般社団法人東京防災設備保守協会 防災センター要員講習テキスト
東京都首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 事業所における帰宅困難者対策ガイドライン
総務省消防庁 防災マニュアル
防災対策推進検討会議 自動車で安全かつ確実に避難できる方策
気象庁・局地的大雨から身を守るために 防災気象情報の活用の手引き
内閣府 防災情報のページより

スポンサーリンク
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:地域

阪神・淡路大震災でわかった既存不適格とは? [建築物]

建築物倒壊で分かった「既存不適格」の建物


1995年1月17日(金)に兵庫県南部地震=阪神・淡路大震災(マグニチュード=M7,3)が発生し死者6434人が亡くなりました。

防災士は此の大震災を契機に出来たわけですが,此の大震災は大都市直下型で活断層が活動して起きた地震でした。


神戸・芦屋・西宮・宝塚など六甲断層系の活断層に沿って分布する都市に、大規模な被害をもたらしたのです。

木造建築物、非木造建築物、土木構造物等の倒壊や崩壊、ライフラインの切断、広域火災、地盤の液状化現象、六甲山地での斜面崩落等が次々と起こり、都市の複合的な災害になりました。


この時の死者の8割以上が、木造住宅等の倒壊による圧死や窒息死だったのです。

地震の発生が真冬の早朝5時46分でしたので、多くの人がまだ家に居た為人的被害が大きくなってしまいました。


TVや新聞等で見た方もいるかも知れませんが、鉄筋コンクリート造りのビルにも大きな被害が出て、1階部分が潰れたり中間層が潰れた建物が多かったのです。

地震の発生が平日の昼間であったら、オフィスビルで多数の死者数が出たのではないでしょうか。



既存不適格

既存不適格と言う言葉が出たのは此の地震を契機に、各地で建物の耐震診断や耐震補強を進めようと言う声が上がったからなのです。

1981年(昭和58年)6月1日より前に建てられた建物に被害が集中していた点を踏まえ、耐震化が急務であると指摘されたのです。


多くの地方自治体によっては、既存不適格の木造住宅を対象に耐震診断や補強を行うに当たって、資金の助成を実施している所もあるのです。

しかし、耐震化に対する住民の意識は決して高いとは言えないのが現状なのです。


住宅の耐震化は個人の生命や財産だけではなく、もし家屋が倒壊した場合に道路を塞ぐ恐れもあり、避難行動の妨げにもなりますし、緊急自動車も走れなくなってしまうかも知れないのです。

此のような事態になれば、被災地の救助・救援活動等の大きな障害になりうるのです。


ですから、家屋の耐震化を進めると言うことは、防災街づくりの一貫と位置付けなければならないのです。

建て直したいがもう歳だし、補助金を返すことも出来ないから無理だね!と言う方もいられます、お住まいの市町村の担当者とご相談をして、自分の命の事もありますので良く考えて頂きたいですね。





耐震基準の整備

過去の地震や暴風による被害を経験して日本の建物は耐震的に強くなってきていると言われています。

実際、大地震により大きな被害が生じた後に、建物の安全性を確保するための法令等の基準(総称して耐震基準)が整備されてきたのです。


1923年の関東大震災の翌年に「市街地建築物法」という法律が改正され、設計震度として0、1が規定されました。

「設計震度0、1」とは建物全重量の1割を水平力(地震力)として構造計算をするというものです。


つまり、「地震力=建物全重量X0、1」という意味ですね。

これは日本で最初の耐震基準であるものの、大都市に建つビルを対象としたものなのです。


一方、木造建築物に関しては「適当に筋交いまたは方杖を設けるべし」という規定の適用範囲が2階建て以下のものにも広げられました。

耐震要素としての筋交いの重要性を強調したものであると考えられています。


1950年に市街地建築物法に代わって建築基準法が施工され、1948年に起こった福井地震の教訓を受け木造建築物に対し「壁率」の規定が取り入れられました。

壁率とは、建物の各階の床面積に応じて筋交いなどの地震に対する抵抗要素をどのくらい設けるかを規定したもので、この壁率は現在でも木造建築物の耐震規定の中心をなす規定であります。


1968年の十勝沖地震をきっかけに1971年に耐震基準の見直しが行われ、さらに1978年に宮城県沖地震が発生し、それを基準に1981年に「新耐震基準」が施工されました。

新耐震基準とは、此のとき改正された建築基準法とその施行令、および建設省告示等で規定された耐震設計の基準を意味しています。


阪神・淡路大震災は家屋の全壊、半壊が共に10万棟以上、死者6400人余のうち8割以上が家屋の倒壊による圧死、窒息死という甚大な被害をもたらしたのです。

地震調査の結果、大きな被害を受けた住宅にはいくつかの傾向が認めらたのです。


木造建築の中で特に被害が多かったものは「古い」住宅であったということです。

「古い」には二通りの意味があり、一つ目は「建築年代が古く老朽化している」という意味で建築当初はそれなりの耐震機能を有していても、老朽化によって耐震性を失ってしまっているということです。

二つ目は「建築年代が古いので、構法(造り方)自体が古い」という意味で、この意味では古い木造住宅は元々耐震性に乏しいと言えるのです。


これらが既存不適格住宅と呼ばれていて、早急に補修・補強を行う必要があります。

補修・補強にはお金がかかりますが各市町村では助成金という形で推進していますのでご相談をしてみてはいかがでしょうか。



参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
一般社団法人東京防災設備保守協会 防災センター要員講習テキスト
東京都首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 事業所における帰宅困難者対策ガイドライン
総務省消防庁 防災マニュアル
防災対策推進検討会議 自動車で安全かつ確実に避難できる方策
気象庁・局地的大雨から身を守るために 防災気象情報の活用の手引き
内閣府 防災情報のページより

スポンサーリンク
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:住宅

耐震助成制度とは? [地方自治体助成]

耐震補強をしたいけれど補助はどうなっているの?


私の家は主人の親が建てくれたのでもう年期も入って柱も曲がっているし屋根も・・・・東日本大震災の時にはまだ大丈夫だったけれど不安が!!!

そんな方が多いのではないでしょうか、昭和56年以前の建築物や建造物は「既存不適格」住宅ですから補修・補強が必要になります。


そんなこと言われても余分なお金は余り無いから・・・そんな不安を抱えている方のために各市町村では助成金制度を設けているのです。

以外と知らない人が多いようですが、うまく活用すればある程度の補修・補強ができます。


何時起きるか分からない大規模な地震に対して、建物の倒壊などの被害から居住する方を守るため、昭和56年5月31日以前に着工した建築物を対象に各自治体では次のような事業を実施しているのです。

また耐震改修をした住宅について、固定資産税が一定期間減額される場合もあるのです。


設計事務所等に耐震診断を依頼される方に費用の部分助成を、なお、手続き前に契約をしてしまうと助成の対象となりませんので注意が必要です。


対象建築物:木造一戸建て、又は併用住宅

助成額:一般住宅の場合・・・・・・・耐震診断費用の3分の2で5万円まで。

    高齢者が同居している場合・・耐震診断費用の100%で10万円まで。

*高齢者とは
1、身体障害者手帳の交付を受けている。
2、療育手帳の交付を受けている。
3、精神障害者保険福祉手帳の交付を受けている。
4、要介護認定を受けている。
5、要支援認定を受けている。
6、障害を受給事由とする年金を受給している。
7、障害者補償年金、又は障害年金を受給している。
8、65才上である。





耐震改修等助成制度

建設業者に耐震改修等を依頼をされた方に費用の一部を助成します、なお手続き前に契約をしてしまうと助成の対象となりませんので注意が必要です。

また、耐震改修工事と併せてリフォーム工事やバリアフリー工事を行う場合、更に耐震改修助成額がアップします。


リフォーム工事とは、耐震改修と同じ施工者による工事費50万円(税抜き)以上の耐震改修部分を除くリフォーム工事、バリアフリー工事とは「○○市高齢者居宅改善整備助成制度」、「重度障害者居宅居宅改善整備助成制度」を利用した工事を云います。


対象建築物:木造一戸建て、又は併用住宅で耐震診断の結果、土部構造評点1、0未満又は地盤もしくは基礎安全でないと診断された場合診断されたもの


助成額:耐震改修等工事の助成について

耐震工事のみを行う場合

一般の場合・・・・・・・・耐震改修費用の23%で30万円まで。
    
高齢者等が居住する場合・・耐震改修費用の100%で60万円まで。


建て替えを行う場合

一般の場合・・・・・・・・建て替え費用の23%で30万円まで。

高齢者等が居住する場合・・建て替え費用の100%で60万円まで。


耐震改修工事と併せてリフォーム工事を行う場合

一般の場合・・・・・・・・建て替え費用の23%で50万円+リフォーム費用の5%で10万円まで。

高齢者等が居住する場合・・建て替え費用の100%で80万円+リフォーム費用の5%で10万円まで。


耐震改修工事と併せてバリアフリー工事を行う場合

耐震改修費用の100%で80万円まで。


耐震シェルター・防災ベッドの購入、設置について

設置費用の3分の2で40万円まで。


*高齢者とは
1、身体障害者手帳の交付を受けている。
2、療育手帳の交付を受けている。
3、精神障害者保険福祉手帳の交付を受けている。
4、要介護認定を受けている。
5、要支援認定を受けている。
6、障害を受給事由とする年金を受給している。
7、障害者補償年金、又は障害年金を受給している。
8、65才上である。


上記は埼玉県内の一部の市町村が行っているものであって、全ての市町村に該当するものでは有りません。

居住する市町村役場に相談し申請をして、許認可を得てから契約等を行うようにしましょう。


家屋の耐震化を進めると云うことは、防災街づくりの一貫と位置付けられています。


参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
一般社団法人東京防災設備保守協会 防災センター要員講習テキスト
東京都首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 事業所における帰宅困難者対策ガイドライン
総務省消防庁 防災マニュアル
防災対策推進検討会議 自動車で安全かつ確実に避難できる方策
気象庁・局地的大雨から身を守るために 防災気象情報の活用の手引き
内閣府 防災情報のページより
スポンサーリンク
nice!(0)  コメント(0) 

東日本大震災イベント中止に!しかし語り継ぐ声は途切れず。 [大規模地震]

新型コロナウイルス感染拡大を鑑み政府が中止を決定!その影で東日本大震災の記憶を語り継ぐ伝承者が認定された。



あの時あなたは何をしていましたか?


2011年3月11日(金曜日)午後2時46分東北地方の太平洋沖を震源にした、M9,0の超巨大地震が発生しました。

此の地震は「東北地方太平洋沖地震」と命名されましたが、日本の近代的地震観測始まって以来の最大規模の地震だったのです。

私たちは、此の地震によってもたらされた災害の事を「東日本大震災」と呼んでいます。


日本政府は3月6日の閣議で11日に予定していた政府主催の東日本大震災追悼式を中止する事を決定しました。

安倍晋三首相は新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、国民に大規模イベントの中止・延期を求めていること等から、追悼式についても中止はやむを得ないと判断したようです。


政府は当初、一般の参列者の出席を断るなどして例年より小規模での開催を模索していたようですが、「これから1~2週間が瀬戸際だ」として、国民に協力を呼び掛けています。



あれから9年、当時の風景はもう無いけれど、語り継いでいけなければ


岩手県釜石市では、2019年から東日本大震災の記憶を語り継ぐ「伝承者」を認定する取り組みが始まっていました。

自分の体験を次の世代に語り継ぎたいとの思いで伝承者になった女子高生が居ると云うのです。


「伝承者として知っておくべき事、とにかく避難すれば命は助かる」(岩手大学名誉教授、斎藤徳美氏)


釜石市で初めて開かれた研修会で講義を行った斎藤名誉教授の言葉ですが、津波などのメカニズムについて講義等が行われその中に最年少の17才の女子高生がいました。

釜石市出身で現在は大槌町で暮らしている釜石高校3年の佐々木干芽(17才)さんです。


「正しい情報のまま次の世代に伝えるための知識と資格が欲しいと思って参加しました」と云うことですが、佐々木さんは震災時には鵜住居小学校の3年生で授業中に被災したそうです。


その後は、北上市にある母親の実家で6ヶ月間避難生活を送ったそうです。






佐々木さんは転校して話を聞かれることが多くて、震災の事がない陸には情報が来ていないことを知ったそうです。


私が喋っていかないと内陸中心に風化が進んでいくなと思った


釜石市によりますと、震災関連死を含む犠牲者は1064人(2019年6月末)、佐々木さんが住んでいた鵜住居地区では市内でもっとも多い478人が犠牲になったのです。

現在、鵜住居小学校と釜石東中学校が建っていた場所にラグビーワールドカップ会場となった釜石鵜住居復興スタジアムがあります。


佐々木さんが伝承者として語り継ぎたいのは「あの日の出来事」だそうです。

佐々木さんはあの日の状況を次のように話しています「そろばんをやっていた時に地震が来て、中学生のの運動部がの先輩方が避難しているのを先生達が見て小学生も逃げようとなった」小中学生と地元の人達総勢600人で1、5キロメートル先の高い場所へと駆け上ったと云うのです。

佐々木さんは鵜住居町からこっち両石町に通り抜ける唯一の道で、海抜が引く鵜被害を受けていたので通り抜けが出来ない状態だった。


佐々木さん達は行き場を失いますが、近くの高速道路を走るトラックを捕まえ、荷台に乗ってかまいし市内の避難所に移動したそうです。

避難した旧釜石中学校の体育館には仮設住宅が立ち並び、あの時の風景はもう無いと言う事ですが、忘れることは出来ないと話しますが、「説明しようと思っても当時の建物がなかったりすると説明しずらいし、逆に自分の記憶があっているのかも分からない」それでも小学生の時の記憶を自分自身が忘れないために・・・と決意を強くしています。


震災を経験していない次の小学生達に、しっかり恐怖とか伝えたい


まずは身近な所から震災や防災について語る機会を持ちたいと考えている佐々木さんは、次の世代へ語り継ぐ使命を胸に伝承者として歩み始めています。



参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
一般社団法人東京防災設備保守協会 防災センター要員講習テキスト
東京都首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 事業所における帰宅困難者対策ガイドライン
総務省消防庁 防災マニュアル
防災対策推進検討会議 自動車で安全かつ確実に避難できる方策
気象庁・局地的大雨から身を守るために 防災気象情報の活用の手引き
内閣府 防災情報のページより


スポンサーリンク
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

あなたの勤務しているビルで火災が?あなたは何をします。 [ビル火災]

企業ビルや商業ビルで火災が発生したら自衛消防隊が初期消化をする。


防災士の働きとはちょっと違いますが、人を助ける、初期消化をするなど基本理念に代わりはないと個人の感想ですが思っています。

防災士は大規模的な災害に対して、地域住民と一緒になって救助であったり防ぐことや減災を考えなければなりませんが、防災センターはその施設の防災、火事や事故等を防ぐ、資産を守る、そして減災をして施設内にいる人を助けることを目的としています。


2001年(平成13年)9月1日に、東京都新宿区歌舞伎町の雑居ビルで起きた火災、記憶に在る方も居るのではないでしょうか。

44名の方が亡くなり、日本で発生した火災としては戦後5番目の大惨事となってしまったのです。


なぜ雑居ビルで多くの犠牲者を出してしまったのか?原因としてあげられたのが、ビル内の避難通路の確保が不十分であった為とされています。

出火原因は放火の可能性が高いと見られていますが、現在まで未確定です。


しかし、此の時の火災調査で分かった事は防火扉が機能していなかった(閉めることが出来なかった)こと、その原因として扉を段ボール箱等で塞がれていた等が判明したのです。

そして消防に対する知識が足りていない従業員が、内部で既に火災が起きているところを何も知らずに扉を開けてしまった事で、空気が入ってきた為バックドラフト現象が引き起こされてしまったのです。


この扉を開けた従業員が二階から飛び降り119番通報した、これが消防庁への第一通報となりましたが、他の従業員は従業員と言う立場でありながら避難誘導をしなかったと言われています。

自動火災報知設備は設置されていましたが、誤作動が多いため電源が切られていました。


他にも避難階段に物が置かれて扉が開かない、非常出口を開けたら階段がない等様々な構造的な問題がわかりました。

また、4階は天井を火災報知器事内装材で覆い隠していた事も分かっています。


避難器具も3階は未設置で、4階には設置されていたものの実質的には使用できない状態だったのです。

この火災を契機にして2002年10月25日に消防法が大幅に改正され、ビルのオーナーなどの管理権原者はより重大な法的責任を追うこととなり、防火管理意識を高めるきっかけになったのです。


*バックドラフト現象
室内など密閉された空間で火災が生じ不完全燃焼によって火の勢いが衰え、可燃性の一酸化炭素ガスが溜まった状態の時に窓やドアを開くなどの行動をすると、熱された一酸化炭素に急速に酸素が取り込まれて結び付き、二酸化炭素への化学反応が急激に進み爆発を引き起こすと言うものです。

たちまち火の海になるフラッシュオーバーとは違う現象です。



火災の早期発見・報知対策の強化

自動火災報知設備の設置義務付け対象が従来より小規模ビルまでに拡大され、危機の設置基準も強化されました。


違反是正の徹底

消防署による立入検査の時間制減撤廃や、措置命令発動時の公表、建物の使用停止命令、刑事告発などの積極発動により違反是正を徹底する事になりました。


罰則の強化

違反者は、従来の「懲役1年以下・罰金50万円以下」から「懲役3年以下・罰金300万円以下」に引き上げられました。

また、法人の罰則も、従来の「罰金50万円以下」から200倍にあたる「1億円以下」に引き上げられました。


防火管理の徹底

防火対象物定期点検報告制度が創設され、年1回は有資格者(防火対象物点検資格者)による入念な点検と報告が義務付けられています。


なお、優良な防火管理を行っていると認められる防火対象物には、定期点検報告義務を免除する特例認定を受けることが出来るとされ、特例認定を受けた場合には、「防火認定証」を掲示できます。







京都アニメーション放火火災を考える

2019年7月18日京都市伏見区で発生した放火殺人事件で、この火災は特殊で犯人と思われる男(当時41才)がポリタンクに入っていたガソリンを持ち込み、第一スタジオに侵入して持参したガソリンも撒きライターで放火したと言うものです。

社員の69名が被害に遭い、36人の方が亡くなり、被疑者を含む34人が負傷しました。


ガソリンを1階に撒いたことでガソリンが気化し充満、そこにライターで火をつけたことで爆燃現象が発生したのです。

結果としてはスタジオは全焼、日本国内で起きた事件としては過去に例を見ない大惨事となりました。


京都アニメーションでは以前から防火・防災に取り組んでいたと言うことで、第1スタジオは平成26年度の消防記念日に伏見署長表彰受けています。

2018年10月17日の消防法に基づく立入検査でも不備はなく、自衛消防訓練でも配属社員の9割にあたる70人が参加していたのです。


一方で、書籍や、机、荷物が過密状態であったこともが分かりました。


*爆燃現象とは
バックドラフト現象と同意語ですが、燃焼する物質が違います。

燃焼には3つの条件(燃焼の3要素・可燃物、酸素(酸素供給物質)、点火源)が必要となります、何らかの原因でこの条件が揃った時に急激な熱エネルギーの放出によって、気体の温度と圧力が上昇することで起きる爆音を伴う燃焼を爆発と言います。


バックドラフトの場合は、火災は発生しているが密閉される状態で3要素の中で酸素が足りない、その為可燃性ガスの一酸化炭素が充満している中にドアが空いたことで酸素が供給され爆発燃焼を起こすのです。


京都アニメーションの場合は、ガソリン(第4類危険物)が気化し酸素との飽和状態になり、放火犯の点火源であるライターで着火された事で爆発燃焼を起こしたことになります。

同じような爆発燃焼は、LPガスや都市ガス等の漏れ、粉塵(小麦粉などの粉類や石炭や石粉など)が酸素との飽和状態になったときに、何らかの発火源によって起こります。



火災の対応は

施設内の不審者対応は警備員や守衛が行いますが、火災時の初期消化や避難誘導はその施設内に設置されている自衛消防隊員、つまりあなた方なのです。

そんなの聞いていないよぉ!!・・ダチョウ倶楽部のギャグではありませんが、各フロアー、事業所ごとに設けなければならない規定があるのです。


通報・初期消火、避難・誘導は全員参加が基本であり、これらが多くの人を救うことになります。

防火扉や避難通路に物を置かない、消火器の有る場所を知っている、また使える、自らが発見者になり通報者になること、そして避難誘導することが大事なのです。


傍観者では人を助けることも出来ませんし逃げることも出来ません。

普段、日常で気づいたことを防災センターに報告しておけば防災センターの方が対処してくれるはずです。


施設の防災センターに働いている方々と一体となって、初めて施設防災が成り立つのです。


地震時は?

施設は大規模地震の時には一般人の一時避難場所になる場合もあります。

東京都内では凡そ850万人の帰宅困難者が出ると試算されており、その内の250万人が一般人と言われています。


250万人の一般人を受け入れるのが各企業のフロアーやエントランスなどになるのです。

各企業では東京都の要請で対応を、区と一緒になって研究・協議推進等をしています。


30年以内に大規模地震が来ると言われている昨今、各施設に於ける防災センターの今後の在り方が問われているのではないでしょうか。



参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
一般社団法人東京防災設備保守協会 防災センター要員講習テキスト
東京都首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 事業所における帰宅困難者対策ガイドライン
総務省消防庁 防災マニュアル
防災対策推進検討会議 自動車で安全かつ確実に避難できる方策
気象庁・局地的大雨から身を守るために 防災気象情報の活用の手引き
内閣府 防災情報のページより
スポンサーリンク
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

施設で働いている人は誰もが自衛消防隊員 [ビル火災]

施設に設置される自衛消防隊とは??



ビル火災が起きたときに先頭にたって初期消化、避難・誘導をするのが自衛消防隊員なのですが皆さんの勤務の特性上、勤務者には中々自覚をされている方は少ないようです。

私の勤務していた病院(ベッド数486床)や企業ビル社員、入院していた時(別な病院でベッド数478床)に看護師に聞いた話などを総合しますと、同じような答えが返ってきています。。


えぇっそれ私たちがやるの?

出来ない、触った事がないし何処に有るのか分からない?

全部、防災センターでやってくれんじゃないの?

何で私たちがやらなきゃならないの?

仕事が忙しくて、そんな暇はありませんので他の人にやらせて。


等々の答えも返ってきたのですが、皆さんどう思います・・・自分の命を他人に助けてもらう事しか考えていない人が多いようです。

このような考え方をしている人達ばかりでしたら、皆さん逃げ遅れて焼け死んでしまったり、大事な友人を亡くしてしまう事になってしまうかも知れませんよね。


病院の場合は勤務している看護師や医師等は、年契約であったり6ヶ月契約であったり、契約上の問題で防災訓練を行うときに居なかったりしている為に経験が少ない方が多いのですが、実際に発生した場合患者さんを救うのは看護師さんたちなのです。

なので、看護にかけてはプロなのですが、残念ながら興味を持っていただけないのが実情ではないでしょうか、これらは病院の経営体質にも寄ります。


企業ビルの場合は、普段が営業で出ている人が多く訓練時にも客先と話し中であったり、これから営業に出てしまうから無理等と仕事優先になりがちです。

かといって協力してくれないのかというとそうではなく、訓練後にアンケートをとると機会があれば消火器訓練や胸骨圧迫(心臓マッサージ)やAEDの扱い方を覚えたいので実施日を教えてほしい等の回答が帰ってきています。



自衛消防隊とは?

防火対象物及びその存する敷地等に於いて、火災、地震その他の災害等による人的または物的な被害を最小限に止めるために、防火対象物に於いて編成される組織です。

事業所が複数有る防火対象物に於いては、事業所事の自衛消防隊の組織である事業所自衛消防隊と、この事業所自衛消防隊を地区隊とする防火対象物全体にわたる自衛消防隊の組織である防火対象物自衛消防隊を編成しなければなりません。


火災は有る時期を過ぎると拡大スピードが急激に速まると言われており、消防署の到着(本隊)が遅くなればなるほど炎症面積は拡大していくことになります。

初期消化の限界を考えると、自らを守るには、自社社員で対応できる火災レベル時に、素早く、消火活動を含む自衛消防組織がその役割を果たす事になるのです。






社員を守るため、会社を守るため或いはお客様を守るために、自衛消防隊は組織編成され、訓練をしているのです。

消防隊長、初期消火班、通報連絡班、避難・誘導班、応急救護班、非常持ち出し班等、各役割について十分に理解し納得を得てから編成しなければなりません。


防火管理の推進役である防火管理者は、まず自分自身で理解し、納得して、管理権原者である社長や事業所長、病院の場合は院長や理事長に同様の認識をもってもらい、そして全社として或いは事業所として、全員で取り組むべき重要な業務で有るということの共感を得る必要があります。



初期消火班の行う事とは

1、目的

出火場所への急行

短期間で火を消し、被害を最小限にとどめる


2、行動開始

自衛消防隊長または副隊長より初期消火指示があった場合

その他、火災発生の事実を確認した場合(上司の許可は不要)


3、消火の要領

消火器の使用

・火元近くにできるだけ多く集め、連続して集中的に使用する。

・安全ピンを抜く。
・消火器本体からホースを外し、火元に向ける。
・取っ手を強く握りしめ、掃くようにしながら消火薬剤を放射する。


消火栓の使用

消火器で消火できないと判断、最寄の屋内消火栓を判別し使用する。

・起動ボタンを押す。
・火元までホースを延長する。
・開閉バルブの操作
・筒先を火元に向け放水する。

*注意点
・消火器で鎮火した場合も水を掛けて完全に消火する。
・煙に惑わされず無駄な注水をせずに、必ず火点を確認する。
・消火栓の場合は過剰注水による水損に留意する。
・避難時期を失わないように常に退路を確保する。


初期消火は炎の高さが自分の身長以上では消せないと判断してください。

炎の高さ1メートルくらいまでは消火器でも対応できると思いますが、それ以上は消火栓の使用またはスプリンクラーによる消火になります。


自衛消防における初期消火は命を懸けて消すようなことを目的としていません、あくまで本隊到着までの
初期段階での消火であって消せないと判断した場合には速やかに退出、後はスプリンクラーや本隊に任せることが大切です。



参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
一般社団法人東京防災設備保守協会 防災センター要員講習テキスト
東京都首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 事業所における帰宅困難者対策ガイドライン
総務省消防庁 防災マニュアル
防災対策推進検討会議 自動車で安全かつ確実に避難できる方策
気象庁・局地的大雨から身を守るために 防災気象情報の活用の手引き
内閣府 防災情報のページより



スポンサーリンク
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:住宅

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。