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2020年逗子崩落事故、前日に亀裂があった [土砂災害]

亀裂を管理人が発見、その存在が行政に伝わっていなかった


TVや報道でご存知の方もいるとは思いますが、神奈川県逗子市で今年2月にマンション敷地内の斜面が崩落し、隣接してる道路を歩いていた県立高校の女子生徒=当時18歳が土砂に埋もれ死亡した事故が発生していました。

実はこの崩落事故、前日にマンションの管理人が斜面に亀裂を見つけ、管理会社に連絡されていたことが分かったのです。


逗子崩落事故.jpg



崩落事故後、管理会社から神奈川県横須賀土木事務所に連絡を受けたことを土木事務所が発表しています。

事故前日に管理会社から現場斜面の調査日程の問い合わせの電話が有ったそうですが、その際には亀裂の報告はなく、事故後の10日なって管理会社から「4日に管理人が斜面の上部に亀裂が有るのを見つけた」と説明を受けたと云う事です。


たら・ればに成りますが、もし事故前日の情報がもっと早く公開されていれば、当然ですが土木事務所が字現場調査の上道路の通行規制をする等の対処が行われていたのでは、女子生徒の死を防ぐ事が出来たかも・・・と云う思いがあるかもしれません。

崩落事故現場を調査した国土交通省国土技術政策総合研究所によりますと、1月30日から事故が発生した2月5日の朝まではまとまった雨は降っていませんでした。


このため、同研究所は降雨によるものではなく、「風化を主因とした崩落」と判断、また、場所が東北東向きで日当たりが悪かったことも風化を加速させた・・・と見られています。

亀裂の写真を分析した京都大学防災研究所の釜井敏孝教授(斜面災害学)は「斜面が下がる力でできた亀裂で、崩落の前兆と云える。割れ目の形から新しく出来たものとみられる」と指摘しました。






K・Yが活用されていない

私たち設備や警備防災を担当する者として活用している物がありますが、それはK・Yシートと呼ばれているものです。

K・Yとは、かつて流行した「空気が読めない」ではなく、危険予知の事であり、各管理室や防災センター、工事事務所棟で活用されているもので工事事業者にはK・Yシートの提出をさせてから仕事を行わせているが今では当たりの様になっていますね。

例えば電気工事関係では漏電遮断器の使用、脚立の点検、跨いでの使用禁止、服装から手袋、安全靴などのチェック、及び工事者全員に工事内容、安全に関する情報が共有されている等を書面にてチェックし、シートを管理者に提出する事によって安全の徹底、情報の共有を確認したと云う事で作業を開始できると云うものです。


マンションなどの管理室(管理会社)の場合、マンション内共有部での発生した事案、また発生しそうな事案があった場合、自社内の部署に報告後、状況を管理組合、また、管轄の公共機関(土木事務所・警察・消防署・自治体)等へ報告しなければなりません。

このようにK・Yシート等を活用する事で早期の対応ができ、居住者様への安心を提供できるのです。


逗子崩落事故亀裂.jpg



今では企業内では死語のようになっていますが、管理会社にとっては報・連・相(ホウ・レン・ソウ)は必要であり、これが無くては管理内容による発生事案の共有が出来ません。

企業によっては、任せてあるのだから自己判断を進める事でスピードアップが図れる・・・との考えもありますが、其処には多くの人命を預かっていたり、また周辺に危害を起こす場合も有るため情報の共有は必要と云えるでしょう。


私が勤務していたマンションでは、管理人室の室長と管理人、設備員に乖離があり、なかなかうまく運営がうまくいっていませんでしたが、文書による情報共有は出来ていたとの自負はあります。

しかし、どうしても金銭面に於いては管理組合に諮らなければなりませんので、後手後手に回ってしまう事が多々あり、行政からの対応には苦慮しましたね。





情報はしっかりと記録保存、そして即対応が大事

マンション管理者や管理人、巡回ししている警備士などの情報には多くの居住者及び近隣周辺の住民の方の命、土砂崩れによる建物自体の損壊や周辺道路への損壊、通行止めなどの影響を及ぼす場合があります。

その為にも日ごろの情報を集め、管理人、管理組合、自治体等と共有していく事が大事で、対応については自治体や国土交通省関係機関がしてくれます。


逗子崩落事故風化が原因か.jpg



今回の事故でも確認はされていましたが、現場調査への依頼等が遅れたのにはまだ大丈夫だろうとの思いがあったのかも知れません。

「いや、そんな思いはなかった」と思いたいのですが、自然による発災はいつ起こるか誰もが図る事が出来ませんよね、その為にも普段とおかしいと思ったことには早期の対応が望まれるのが然りです。


我々は、今回起きた悲惨な事故を悲しい記憶とするのではなく、厳しい教訓として今後の管理に活用していかなければなりません。

事故が起きてしまったからでは遅く、その事故が起きるその前に管理者として実行できることをしっかりとしていきましょう。






参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
一般社団法人東京防災設備保守協会 防災センター要員講習テキスト
東京都首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 事業所における帰宅困難者対策ガイドライン
総務省消防庁 防災マニュアル
防災対策推進検討会議 自動車で安全かつ確実に避難できる方策
気象庁・局地的大雨から身を守るために 防災気象情報の活用の手引き
内閣府 防災情報のページ
環境省 人とペットの災害対策ガイドライン

より




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秋の登山、事故を起こさないためには! [冬山]

紅葉が一段と綺麗な季節、しかし秋の山には危険が多い


寒さが厳しくなってきましたが、今年は暑い夏から一気に冬を感じさせるような気温に一気に低下し体調を崩している方も多くみられます。

気温が下がれば、秋の山には紅葉に楓や蔦等が赤く色づき始め各地で見ごろのシーズンに、そして散策にも丁度良い季節になるのです。

八ヶ岳紅葉.jpg



秋の季節感を楽しもうとしてる私たちですが、どうしても避けられないことが多々ある事をこれから述べさせて頂きます


秋の登山シーズンを迎え20230年9月1日から岐阜県高山市の北アルプスの登山口で、山岳遭難を防止するための警備活動が始まりましたが、皆さんもTVやメディア等でご存知だと思います。

報道によりますと岐阜県警では、遭難などが起きた際に迅速に救助に向かえるよう警備を開始し、週末を中心に穂高岳酸素ぷに3人の警備隊員を常駐させるほか、パトロールなどを実施しています。


近年中高年の登山者の遭難や事故が増えており、岐阜県警では無理のない登山を呼び掛けています。





長野県で秋山遭難マップを作製

これは長野県魅力発信ブログ内で「秋山の遭難事故に注意!!秋山遭難マップを更新しました」と云う事です。

秋の登山シーズンに合わせて、登山者の入山注意報が出ている中で安全にそして山に登る方が事故を起こさないよう、会わないようにするために毎年作成されているものです。

<秋季八ヶ岳7件の死亡事故のうち、主な死亡原因は発病と滑落です!>

〇「適正な登山計画づくり」、「体調がすぐれない時には無理をしない」等の取り組みで事故を防ぎましょう。
〇特に頂上付近での滑落は生死にかかわるため、十分気を付けましょう。
 
赤岳.jpg



<台風や寒冷前線の動向に注意し、防寒対策をしっかりと!>

〇登山に適した気候ですが、台風の関院や寒冷前線の通過時には天気が崩れ、強風が吹き荒れるため注意が必要です。また頂上付近は冷え込むため防寒対策をしっかりしましょう。


<転落、スリップ、落石に注意>

〇横岳、赤岳、阿弥陀岳稜線、地蔵尾根の各岩場、県境尾根の大天狗~赤岳及び赤岳展望荘への回り道、大同心・小同心、文三郎新道はしご場上部~赤岳頂上直下は転落に注意しましょう。南八ヶ岳一帯は岩質がもろいため、落石・浮石にも注意しましょう。

〇蓼科山将軍平~山頂の登山道は傾斜した1枚岩があり、スリップに注意してください。7合目登山口~頂上は落石に注意が必要!

ダウンロードはこちら↓
秋山遭難マップ(八ヶ岳全域)
(原文のまま)





秋山で遭難しないためには

私は登山に関しては低い山でのトレッキングしかしたことが有りませんが、それでも山の怖さは知っています。

書店やインターネット上などでは、初心者や私のように経験の少ない登山者を引き付ける魅力的な情報が簡単に得られますが、果たして大丈夫なのでしょうか?多くの専門家の意見を聞いてみると、「そのような情報を鵜呑みにして山選びをすると大変なことになるよ」と笑われてしまいました。


なるほど、自分の力量に合わせた山選びをする事か!・・・力量を超えて、不慣れな岩稜歩きで転倒や滑落をしたり、体力不足による疲労のために動けなくなってしまうなどの遭難が後を絶たないのだとか。

つまり、「この山面白そうだから、綺麗だから、簡単に登れそう」では、なくこの山なら今の自分でも登れるかも!等と地図やガイドブック遭難マップなどを参考にして、登りたい山の体力的な強度、技術的な強度、難易度、コースなどの危険性などを調べ、メンバーや自分の力量より難易度を下げた山を選ぶことが大事だと云う事です。

八ヶ岳.jpg



特に秋は日増しに日没時刻が早くなり、日帰りの予定で入山したものの予定より時間がかかり、夕方遅くまで行動しなければならないことも有りますよね。

行動中や下山途中に日没を迎え、ヘッドライトなどの照明器具を持っていなかったために動けなくなってしまった等の事例は沢山あるそうで、日没時刻を考慮した余裕のある行動を心掛ける事が大事と云えるでしょう。

秋山ばかりではなく登山をする以上はヘッドライトは必需品として私も携帯はしています、夜の山は怖いですから、例えヘッドライトが有っても視界も狭くなり道に迷いやすく危険と隣り合わせになります。


天気予報を確認し、中止や撤退の早めの判断を

前述していますが、山の気候は寒冷前線や台風、低気圧等によって早く変化しやすいと云われており、特に秋山は夏山と違い昼間は暖かくても朝晩は気温が氷点下になる事も、北アルプスなどの高山では氷が張ったり雨が雪に変わる事も珍しくないそうです。

特に、登山を予定している山域の天気予報に「低気圧の通過」や「寒冷前線の通過」の「寒気の流入」「一時的な冬型の気圧配置」等の用語が有れば、山は吹雪などの大荒れの天気が予想されるとか、そのような気象条件での登山は、視界不良による道迷いや、低体温症の危険性が非常に高くなり命への危険が高くなります。


この様に、行動中に悪天候に遭遇した場合は途中で引き返す、あるいは天候が回復するまで行動を控えるなどの判断が求められますし、事前に悪天候が予想される場合などには登山そのものを中止るなどの検討をしましょう。


他にも山小屋や、テント場の営業状況や期間を確認しておく事も忘れないように、そして祭儀になりましたが「登山計画書」を作成して、家族や友人に渡して置いたり、登山入り口にある事務所などに提出しておくことで登山行動を分かりやすくしておくことが大事です。

素晴らしい秋山を楽しむ為には、県によっては登山計画書の提出を義務付けているところもありますので、山を登る前にしっかりと調べておくことが大事ですね。






参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
一般社団法人東京防災設備保守協会 防災センター要員講習テキスト
東京都首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 事業所における帰宅困難者対策ガイドライン
総務省消防庁 防災マニュアル
防災対策推進検討会議 自動車で安全かつ確実に避難できる方策
気象庁・局地的大雨から身を守るために 防災気象情報の活用の手引き
内閣府 防災情報のページ
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長野県諏訪地域振興局 長野県魅力発信ブログ

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タグ:遭難 滑落 秋山
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消防訓練の季節です。(1) [火災時の対応]

特定防火対象物では年2回以上、非特定防火対象物は年1回実施が義務づけられている


秋があっという間に終わりそうですが、秋から冬にかけては火災が多いため自衛消防団による消防訓練が行われますが、新型コロナウイルスの関係で各地域や各事業所では、3密になるため消防訓練には苦慮しているようです。

しかし、消防訓練は法的に義務付けられている為行わなくてはなりません、その為方法については各地域や各事業所においては独自の訓練方法を行っています。


法的義務

消防訓練には、119番通報と館内放送設備、地域放送による通報訓練、消化器や消火栓を使用する消火訓練、避難誘導に従って屋外に避難する避難訓練、異常を3つを同時に行う総合訓練などがあります。

特定防火対象物では年2回以上、非特定防火対象物では年1回実施する事が義務付けられているのです。

消防訓練.gif


実施時期と実施期間は及び訓練内容を確定して消防署へ実施の通知を行い、訓練では実戦さながらサイレンを鳴らす等して、できる限りの多くの従業員や居住者や市民の参加を義務付けています。

事前に実施のポイント、避難のポイントを防災教育として徹底しておくことで、実施における訓練の確認を明確にしておくのです。


自衛消防組織が実際にその場に立ち至った時に、反射的に行動できるように訓練する事が必要であり、その時に役割を再確認して行動していたら初動が御遅れ、自らで対応できる時機を逸してしまうのです。

消防隊長の指揮の下で、瞬時に行動が出来るように訓練する事が大切であり、初期消火によって多くの人命を救う事につながるのです。


みんなのFX



計画書・実施時期・実施時間

消防訓練を実施する場合は、計画書を作成しなければなりません、各役割を明確にし、やるべきことを具体的に指示しておく必要があるのです。

事前に消防署とも確認を取り、毎年同じ行動様式を取る事により、自然と動けるようにしておく必要があります。


消防訓練を9月あたりから実施する事業所が多いと思いますが、この時期は消防署に対する立ち合いの要請が多く、スケジュールを押さえるのであればかなり早い段階で要請をしなければなりません。

また、消防署の方でも、消防訓練に積極的に立ち会うよう取り決めている時期もあり、この時期に合わせて実施すると喜んで立ち会ってもらえます。

かといって消防署の立ち合いが無くても消防訓練は成立しますが、参加者に緊張感を持ってもらうためには消防署に立ち会ってもらう事が望ましいですね。


水消火器訓練.jpg



実施時間ですが事業所や各地域によっては人数も多いため、消防訓練時の避難場所が確保できないなどの場合も有ります。

とは言え、訓練を実施しなければならない場合、昼休みを利用したりして行うことも有るのですが、この場合、避難放送を昼休みの開始に合わせるのです。


こうすれば避難階段より屋外に避難でき、そのまま集合する事なく食事に行ってもらう事も出来るため避難訓練としては成り立ちます。

ただ、原則的にはどの時間に実施しようとも避難場所に集合して避難完了報告を実施してからの離散が望ましいと云えるでしょう。



従業員や居住者、地域住民の参加

自衛消防隊員以外の従業員や居住者などは、一般的には避難誘導に従いあらかじめ決められている集合場所まで避難すれば訓練は終了してしまいますが、せっかくの訓練なのですから消防署に依頼をして、水消火器やAEDを何台か用意してもらうなどしてもらい、消火器の取り扱いやAEDの取り扱いなどを体験してもらうようにしましょう。

煙体験テント.jpg


実際に操作した経験があるのとないのでは、火災などに直面した場合その対応に雲泥の差が出るのです、操作方法が分からずに、消火器をそのまま火の中に投げ入れてしまった、と云う事も実際にあったそうです。


防災教育の一環として、ぜひこの機会に消火器やAEDを操作させてみるべきですね、そのほかにも煙体験ハウスなども有り、大きなテントの中を迷路のように仕切り人に無害な煙を焚いてその中を一人ずつ通過していくと云うもので、消防署に依頼すれば消防訓練当日にテント組み立てからやってもらえると思いますので、是非体験して欲しいですね。


消防訓練の季節です(2)では、サイレンの注意点、実施のポイント、避難のポイント、、訓練の確認点についてを述べさせて頂いています。
消防訓練の季節です(3)では、消防査察について、注意すべきチェック点について述べさせて頂いています。






参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
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消防訓練の季節です。(2) [火災時の対応]

消防訓練を実施するには「自衛消防訓練通知書」を所轄の消防署に提出しなければならない。


外気温が下がれば、寝たばこや台所の油などのコンロ火災の他に、暖房器具などの使用頻度が上がると共に、電気ヒーターなどによる火災やタコ足コンセント使用などによる火災、埃によりトラッキング火災、そして一番怖い放火による火災が増えてきます。

事業所においても様々な原因による火災発生が考えられますが、防災センターに勤務する者ばかりではなく建物内の自衛消防隊によって、火災発生からいかに迅速に従業員を避難させるか、初期消火をするかが求められているのです。

消防訓練の季節です(1)では法的義務や、計画書、実施時期や時間について述べていますが、(2)では実施の通知などについて述べていきたいと思います。



消防訓練実施の通知と訓練内容

消防訓練を実施する際には、消防法によって通知が義務付けられており、「自衛消防訓練通知書」を所轄の消防署に提出しなければなりません。

通知書に記載する内容は以下の通りになります。

① 防火管理者氏名、② 防火対象物の所在と名称、③ 事業所の名称、④ 実施日時と場所、⑤ 訓練の種別(消火訓練・通報訓練・避難訓練・総合訓練)、⑥ 参加予定人数、⑦ 訓練概要

自衛消防訓練通知書.jpg


上記内容を通知書に記入して提出するのですが、提出と同時に詳しい打ちあわせを行うようにしましょう。


訓練には、初期消火、通報、館内連絡、避難誘導の項目を入れますが、これらを同時にすべて行う場合は「総合訓練」と云います。

消防署への通報と館内連絡、避難誘導については、毎年実施する内容に差異はありませんが、初期消火については以下のようなレベルが付けられます。

(1)消火器のみ火災発生場所へもっていき、消火の真似をする。
(2)水消火器により、実際に消火する。
(3)オイルパンで火を焚き、実際に消火器を放射する。
(4)消火栓のホースを火災発生場所へ持っていき、消火の真似をする。
(5)実際に消火栓より水を放射する。

消防署と相談して、年々レベルアップして貰いたいのですが、その他にも非常持ち出しや担架によりけが人の搬出なども盛り込むと良いでしょう。






サイレン、実施のポイント、避難のポイント

サイレンの音を聞きますと緊張しましょね、たぶん私だけではないと思いますが其の緊張感を避難訓練参加者に感じて欲しいのです。

実際に火災感知器を操作してサイレンを鳴らす場合は以下の点に注意しましょう。

① 火災感知器と連動して、警備会社に火災発生の連絡が入ってしまう場合は、事前に訓練実施の胸を伝えておくこと、場合によってはエレベーター会社がエレベーターの保守と共に火災発生の警報を受診してしまう場合も有りますので併せて連絡しておきましょう。
② サイレンが屋外でも鳴るようであれば近隣に実施の連絡をしておきましょう。
③ サイレンも関係しますが、、当日来客は極力避けてもらう事も、よって、訓練の実施日時は早めに確定して広報しておきましょう。

私の経験談ですが、ビル管理を行っていた時には、実施当日朝から建物周りに消防訓練実施中のノボリを立て周りに周知し、エレベーター会社ばかりではなくセキュリティー・防災会社にも協力して頂きました。
しかし、残念ながらグローバル会社であったために訓練当日に緊急の取り締まり役員会議を行う事に、そのフロアーを含み上下の階、及び階段に館内放送を流す事が出来なくなるというアクシデントが発生しましたね。

消防訓練(2).gif


実施のポイントですが、消防訓練を円滑に実施するためにも以下の事に注意しましょう。

① ヘルメットや拡声器など備品の確認をしておくこと。
② 避難完了報告をしてもらう担当を明確にしておくこと。
③ 避難場所である、消防本部の設置場所は事前に広報しておき、整列する場合の目印を付けておくこと。
④ 電話番など、室内に残る人を各部屋ごとに明確にしておくこと。
⑤ サイレンの操作に不案内の場合は、設備保守会社に依頼しておくこと。
⑥ 初期消火、通報連絡、避難誘導の各担当とは、「総合訓練計画書」を基に実施前に入念に役割の確認をしておくこと。

訓練を機に明確な役割認識を持ってもらうためにも、事前の準備は怠りなく実施しておきましょう。

どんなに準備をしても訓練がすべて旨く行く訳ではなく、前記したようにアクシデントは付き物であって、その為にも様々な対応がすぐに出来るよう事前の図上訓練であったり、協力して事前訓練を行っておくことが大切と云えるでしょう。





消防訓練の避難のポイントの注意点は以下の通りになります。

① 館内放送及び避難誘導の指示に従って避難すること。
② 避難する際は、私語をせずに速やかに避難すること。
③ 館内での避難は、ハンカチ等で口を押さえ、腰をかがめて避難すること。
④ 消防本部での整列は、目印に従って避難すること。
⑤ 当日、消防署の方が立ち会うので、○○社員として恥ずかしくない、真剣な態度で行動すること。

消防訓練実施報告書.jpg


避難行動をしている姿は一般の方の目につくためダラダラとした行動を見られてしまうのは企業人としてどのようなものか、防災教育の一環として周知しておくと良いですね。



訓練の確認点

消防訓練を実施する事において、以下の点を確認しておきましょう。

① 避難に掛かった所要時間。
② 消防署への通報が上手く出来たか。
③ 避難放送の聴き取り具合。
④ 避難誘導の誘導方法と立つ位置。
⑤ 各部署の引率者の誘導方法。
⑥ 初期消火の段取り

以上の点を、当日立ち会っていただいた消防署の方と一緒に確認していき、修正する点など、次回の訓練で取り入れる訓練内容について確認しておきましょう。


如何ですか、これまで(1)、(2)において消防訓練について述べてきましたが、皆さんの各事業所、及びマンション自治組合、各地域自治自衛消防団において活用して頂ければ幸いです。


消防訓練の季節(1)では、法的義務、計画書、実施時期、実施時間、従業員も参加について述べています。
消防訓練の季節です(3)では、消防査察について、注意すべきチェック点について述べさせて頂き、消防訓練の季節ですシリーズを終わりに致します。





参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
一般社団法人東京防災設備保守協会 防災センター要員講習テキスト
東京都首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 事業所における帰宅困難者対策ガイドライン
総務省消防庁 防災マニュアル
防災対策推進検討会議 自動車で安全かつ確実に避難できる方策
気象庁・局地的大雨から身を守るために 防災気象情報の活用の手引き
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