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噴火現象と火山灰による災害 [火山噴火]

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火山噴火の様式や規模は様々、それに応じて災害の種類や規模が変化する



もし、三宅島や長崎の有珠山のように、または富士山などの活火山が爆発的噴火をした場合、放出される噴出量が多い程、つまり規模が大きくなればなるほど噴煙の高さは高くなる傾向にあります。

大噴火で上空に向かって上昇する噴煙は、周りの大気と密度が釣り合うと上昇を続けられなくなり、水平に広がって傘上の噴煙となります。


このまま火山灰が降下すると、噴火地点を中心にして、中心部が厚く周囲が薄いという同心円状の火山灰の厚さ分布が予想されますが、日本のように北半球の中緯度地域では西風が卓越するために、傘雲から落下する途中で火山灰は東に流されます。

このため、地表に降り積もる火山灰は噴火地点より東側の地域に主に分布することになります。


傘上部分があまり大きくならない噴煙の場合、風の強さは対流圏の最上部付近が最も強くなっているために噴煙は風に流されることになり、このため、このような噴煙から降り積もった火山灰は火口から細い扇形に分布することが多いのです。


火山噴火、空振.jpg


さらに噴煙の高さが低い時には、地表付近の風に流されますが、風向きは季節によって変化するため、長い期間を通してみると火山の周囲に均等に降り積もる事になります。


なお、気象庁では爆発的噴火のうち、空振(くうしん=空気中を伝わる空気振動、圧力波の一種)の大きさが一定程度大きなもののみを「爆発的噴火」とよび、他の爆発的噴火は単に「噴火」と呼んでいます。






噴 火 の 前 兆 とは

マグマは岩石が溶けたもので高温なため、あるまとまった量のマグマが地表に接近すると、地表では何らかの異常現象が観測されるのですが、このような現象は噴火に先立って生じるため、「前兆現象」と呼ばれています。


火山噴火の前兆現象の例

1) 地震の発生

深い場所からマグマが周囲の岩石を壊したり、、押しのけたりしながら地表に向かって序章してくるので地震が発生します。

2) 地殻変動

あるまとまった量の物質が浅い所に移動してくるので、火山帯が押し広げられて、ごくわずかですが膨れる等の地殻変動が生じます。

3) 磁力の低下、地下水の温度上昇

高温のマグマによって周囲の岩石の温度が上昇して、岩石の持つ磁力が低下したり、地下水の温度が上昇したりします。


大涌谷.jpg



普通、何年も前から前兆現象が捉えられることはなく、前兆現象が捉えられる期間も数時間前から数カ月前から等様々で、この理由の一つとしてマグマの粘性が化学組成や温度によって大きく変化するため、と言われています。

マグマの移動速度は粘性に半比例すると云われ、粘性の小さなマグマは移動を始めてから短時間で地表に達するため、前兆が発生してから噴火までの時間がないことが多い理由です。


一方、粘性の大きなマグマはゆっくりと移動するために、前兆現象が発生してもシグナル変化量が小さすぎるので、しばらく観測を続けないと、単なるノイズなのか?、それとも前兆なのか?判断できないことが多い、と言われる原因です。

このため、確実に「前兆を捉えた」と分かるのは、噴火の直前となる事が多いのです。







噴 火 現 象 による災害

火口から放出される噴出物はそのサイズによって、①火山灰(直径2ミリより小さい)、②火山レキ(直径2ミリ~64ミリ)、③火山岩塊(直径64ミリより大きい)に区分されていますが、このような学術的な分類のほかに、日本では主に気象庁発表で「火山灰」「噴石」という区分も用いられています。

最近ではマスコミも頻繁に使用されているので、この区分もすでに市民権を得た防災用語と考えられていますが、この場合の「噴石」は人にあたるとケガをする危険のあるサイズ以上の噴出物を指し、岩石の比重にもよりますが、概ね、こぶし大以上です。


噴石の中でも直径が50センチを超えるようなものは、あまり空気の抵抗を受けずに火口から弾道を描いて飛行します。

このように弾道を描いて飛行する噴石(火山岩塊)の飛行距離は、放出の速度と放出された角度にもよりますが4kmまで届くことが有ります。


サイズの小さい噴石は空気抵抗のため弾道距離は短いのですが、噴煙と共に上空まで運ばれた場合、風に流されて遠くにまで到達することが有ります。

直径が10センチ程度の噴石でも10km以上も風に運ばれて落下することも有るので、噴火の際の風下側では火山灰だけではなく、このような噴石にも注意する必要があるのです。


火山灰が作物に積もると枯死するなどの被害を受けたり、積もった火山灰の重みで電線が切れて停電を引き起こすことも有るのです。

また、大量に屋根に積もると、その重みで屋根がつぶれることが有るなど、特に火山灰が降雨によって水を含むと非常に重たくなるため、注意が必要となります。



参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
一般社団法人東京防災設備保守協会 防災センター要員講習テキスト
東京都首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 事業所における帰宅困難者対策ガイドライン
総務省消防庁 防災マニュアル
防災対策推進検討会議 自動車で安全かつ確実に避難できる方策
気象庁・局地的大雨から身を守るために 防災気象情報の活用の手引き
内閣府 防災情報のページより




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