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コロナより避難を優先、避難所は満員 [防災対策]

台風10号、長崎県内で12市町133ヵ所で満員状態に


大きな被害をもたらした台風10号、気象庁でも過去最大級の大きさである事を予想しており甚大な被害がが出る可能性を示唆していました。

気象庁は過去の被害状況を鑑み、明るいうちの早期避難を呼びかけ、被害が予想されている地域では多くの方々が避難を始めたのです。


避難レベル.png



長崎県内でも自治体が設けた避難所全体:742ヵ所の18%にあたる12市町村133ヵ所で収容定員に達する満員状態であった事が分かりました。

新型コロナウイルス感染症対策で1ヵ所当たりの収容人数を制限する中、想定を上回った所もあり、近隣の避難所を案内する等自治体は対応に追われたそうです。


県では各自治体が台風9号の時に247ヵ所を開設しましたが、10号時には避難所を増設、それでもピーク時には約1670人を大きく上まる5万人超が来所し満員状態が相次いだとの事です。

避難所では、避難者同士の距離を保つなどコロナ対策を取ったそうですが、多くの方から「コロナより避難」と云う声も上がり、現場の職員は板挟み状態になり、感染症対策と避難所運営のバランスの難しさが浮き彫りになったのです。





社会的距離を保った多様な避難を

新型コロナウイルス感染症の影響が懸念される中、大雨や台風、地震が発生した時に自治体が開設する指定避難所における感染拡大をどう防ぐのか?、感染リスクが高まるとされる「3密(密閉・密集・密接)」状態の中で防災対策と感染予防を両立させた避難所の運営は出来るのか?、対策が急がれます。

避難所運営の基本は、「災害で人を死なせない」「新型コロナウイルス感染症に罹患させない」、「避難生活下での関連した病気を極力防止する」・・・・コロナ渦の中で災害が発生した場合、最も重要なのはこの3点に尽きると専門家は述べています。


世界の避難所から見間ますと、もともと日本の避難所環境は劣悪とまで言われており、数百人の避難者が体育館などに密集し、冷たい床の上に雑魚寝状態になっているのが実情です。

トイレのスペースも小さく、数が少ないなど、衛生上よくない環境が上げられてきましたが改善の兆しは見えず3密と3K(汚い、危険、きつい)、多くの課題を改善しなければならないという議論が置き去りにされてきたのです。


早期避難.jpg



台風襲来の季節の前に、より質の高い避難を考え、自治体も住民も意識と役割を見直し、新しい環境づくりを模索していかなければなりません。

台風9号・10号で分かったことは以下に3密をどう回避するか、多くの避難者をどのように受け入れるべきか、これまでの避難所における1人当たりの収容面積は1~1.6㎡でしたが、感染防止のためのソーシャルディスタンス(社会的距離)を保つには、1人当たり4㎡が求められます。


つまり、今までより広くとるため、避難所の収容能力が従来より3~4倍多く必要となり、避難所が不足するのは目に見えているのです。





分散避難を考えよう

避難所不足を補うためには、住民の逃げ方を変える事を変えなければなりません、その為には「分散避難」の考え方です。

「動かない避難(在宅避難)」をはじめとする親類や知人宅への縁故避難、ホテルなどへの日案、車中などの青空避難等が上げられます。


避難所に寝泊まりするのは原則1日、もしくは2~3日以上ですが、留まらないの前提で、その後は、ホテルなどに移る手立ての検討が自治体などに求められますが、3密の他、空気中のウイルスの飛沫感染と接触感染が考えられるからです。


避難所の運用についても、避難者の健康状態によって生活空間を区分しなければなりません、感染が疑われる人などには別室(教室など)に分離する必要があります。

体育館などでは、段ボールなどの間仕切りを設け、床面で就寝しないように対策を施し、トイレや食事場所は分け、それぞれの場所に行く動線も分離しなければなりませんが自治体は新型コロナウイルスにおける避難場所を早く住民に示す必要があります。


新型コロナウイルス感染症予防を考えながら「3密、3K」の避難場所に身を寄せる訳ですが、まず、自分が感染しない、周囲に感染させないことが大切なのです。



持ち出し袋に何が必要かを考える

自然災害時の避難に備えて用意している非常用持ち出し袋に、コロナ予防に使える衛生用品などを追加しておくことも大事ですね。

マスクやアルコール消毒液、使い慣れた体温計、常用薬等をはじめ、家族単位のハンドソープ、出来る限り多くのティッシュやポリ袋などを用意しておきましょう。


上履きやスリッパは床からの接触感染を防ぐためにも重要で、使い捨てのビニール手袋はドアノブなど多くの人が触れるものからの接触感染から身を守れますし、使い捨てのビニールエプロンやゴミ袋も、避難所の運営協力に役立ちます。

揃えるだけでも難しいですよね、何が必要か、先次て考えなければなりませんが、必要な物資を揃え、家族での逃げ方、そして逃げる場所等も、其れも1日だけではなく数日単位、もしかしたら長期に及ぶ場合の避難場所を考えておきましょう。


自宅が安全ならば、避難所に行かずに在宅避難も選択肢の一つですが、その場合には、自宅で1週間過ごすための必要な水や食料、常用薬、ライト、ラジオなどを用意しておくといいですね。

また、親戚や知人宅への縁故避難も考えられる手段の一つですが、】安全な場所にある親類や知人宅が同じ地域や隣接地にあればもしもの場合にはと事前に一時避難場所としてお願いし合う事を考えておくべきです。


高齢者や障がい者、妊婦などの要支援者や要配慮者などは、民生委員等が大雨予報時の避難先を事前に聞いたり、避難所や福祉施設に早めに誘導したりする必要があります。

しかし、福祉施設の場合は感染防止が優先されるため、事前に確認をしておくほうが良いかも知れません。





参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
一般社団法人東京防災設備保守協会 防災センター要員講習テキスト
東京都首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 事業所における帰宅困難者対策ガイドライン
総務省消防庁 防災マニュアル
防災対策推進検討会議 自動車で安全かつ確実に避難できる方策
気象庁・局地的大雨から身を守るために 防災気象情報の活用の手引き
内閣府 防災情報のページより



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