帰宅困難者問題と受け入れ対策 [防災士]
東京都内での買い物客80万人をどうするか?
新型コロナウイルスに追われている東京都、病院は一泊しているという中で大震災が起きてしまったら・・・・と何度もこのブログでも警告はしていますが、対策は追いついているとは言えない。
官民挙げての対策強化を図る事が大切なのですが、現状コロナ禍では対策の立てようがないのではないでしょうか。。
一時避難対策所運営に関しても、新型コロナウイルスの蔓延によって対策の変更を余儀なくされている為、現状の受け入れ態勢で良いのか、誰にも分からないのです。
病院での受け入れ状況がTVで放映されているが民間の一時待避所ではあのように防護服を着てマスクにフェースシールド、非接触式検温、退避者の署名に関する筆記具等の消毒や、部屋割り、今までの1人当たり1.8㎡から3~4㎡に変更にしているが換気と云う点ではまだ不安が残ります。
なぜならば、近代ビルでは窓が開かない施設が多いと云う事と、冬場の場合、外調機やロスナイ等を使用出来るのかが分からないのではないでしょうか。
これは自家用発電機の電気が喚起に使用できるのかが分からないと云う事であって、使用できる場合には問題は無いだろうが、部屋によっては外調機やロスナイが設置されているとは限らないため大型扇風機等での喚起などを考える必要がある、此れには早期の確認が必要であろう。
一時避難者の部屋割りに対して、その施設によっては熱がある方の受け入れを拒否することも有り得る、これは受け入れ態勢が出来居ない事によって、多くの人への感染拡大(クラスター化)が懸念されると判断した止むを得ない結果ではないでしょうか。
但し、受け入れる場所の提示や案内等は出来るはずで、そのような措置に対しては誰も責める事は出来ないと思う、会社としての社会的立場もあるだろうが止むを得ない場合もあある、その為にも公的避難所(福祉避難所等)の場所の確認、及び説明が出来るようにして置くことは大事なのです。
2011年3月の東日本大震災時に首都圏では、約515万人(2020年では約650万人)の帰宅困難者が出たと推計されています。
此処に東京海上日動リスクコンサルティング株式会社がまとめた資料をご紹介いたします。
(リスクマネージメント最前線)
大規模地震発生時に「移動する」リスク
首都直下地震の概要
大都市圏における大規模地震として、首都直下地震を例に考える。「移動する」リスクについては、他の地域の大都市圏においても同様の事態が起きると想定されるため参考にされたい。
(a) 地震の揺れによる被害
イ.揺れによる全壊家屋:約175.000棟、建物倒壊による死者:最大 約11.000人
ロ.揺れによる建物被害に伴う要救助者:最大 約72.000人
(b)滋賀地下際の多発と延焼による被害
イ.焼失:最大 :約412.000棟 建物倒壊等と合わせ最大: 約610.000棟
ロ.死者:最大 :約16.000人 建物倒壊等と合わせ最大: 約23.000人
(c)インフラ・ライフライン等の被害
イ.電力:発災直後は約5割の地域で停電。1週間以上の不安定な状況が続く。
ロ.通信:固定電話・携帯電話とも輻輳の為9割の通話規制が1日以上継続。メールは遅配が生じる可能性。携帯基地局の非常用電源が切れると停波。
ハ.上下水道:都区部では約5割が断水。約1割で下水道の使用が出来ない。
ニ.交通:地下鉄は1週間、私鉄・在来線は1ヶ月程度、開通までには時間を要する可能性。
主要路線の道路啓開には少なくとも1~2日を要し、その後、緊急交通路として使用。
都市部の一般道は、がれきによる狭小、放置車両等の発生で深刻な交通マヒが発生。
ホ.港湾:非耐震岸壁では多くの施設で機能が確保できなくなり、復旧には数カ月を要する。
ヘ.燃料:輸送所・製油所において備蓄は有るものの、タンクローリーの不足、深刻な交通渋滞等により、非常用発電用の重油を含め、軽油、ガソリン等の消費者への供給が困難となる。
*:インフラ等においては東日本大震災時において、電話の輻輳、計画停電、ガソリンの購入のためにガソリンスタンド(GS)での長蛇の列、ガソリンが枯渇したGSが発生。スーパーでの商品不足、病院での非常用発電燃料が不足したためにタンクローリーを病院に横付けして供給、自衛隊による水の供給、駅には帰宅困難者の混乱などが記憶に新しいのではないでしょうか。
(b)帰宅困難者の重要性
(a)東日本大震災の際の帰宅困難者
震源は首都圏から遠く離れた三陸沖であったが、首都圏で約515万人の帰宅困難者が発生した。
(b)膨大な帰宅困難者がもたらす問題
首都直下地震発生時の帰宅困難者は東京都内だけで380~490万人、東京都市圏(東京+茨城・埼玉・千葉・神奈川)では640~800万人に上ると想定されている。
大規模地震発生時には、救命救助活動、消火活動、緊急輸送活動等の応急活動を迅速・円滑に行う必要がある。
公共交通機関が運行を停止している中で、大量の帰宅困難者が徒歩により一斉帰宅を開始した場合には、緊急車両の通行を妨げになる可能性が有り、応急活動に支障を来すことが懸念されている。
(2)首都直下地震がもたらす危険
東日本大震災は首都圏にも多くの被害をもたらしたが、それでも1都3県(東京・埼玉・千葉・神奈川)の大部分における震度は5強以下であった。
首都直下地震では東京都内においても最大震度7を記録する事が想定されており、首都圏においては東日本大震災をはるかに上回る規模の被害が発生しえるため「東日本大震災の時と同じレベルでは考えてはいけない」と云う認識が必要である。
以上抜粋
このように、地震の規模の大きさも被害も東日本大震災時と同じレベルではないと云う事を認識し、改めて対策を講じていかなければならないのだ。
私が参画していた企業においては、既に対策が講じられている所もあるし、今だに対策どころか責任の押し付け合いで全く進展してい居ない所もある。(帰宅困難者受け入れ態勢が決まらない功罪(3))
此れには様々な問題もあるが、過去に紹介したBと云う企業においては地震には最前線に立たなければならない警備会社自体の参加が難しいと云う事が分かりました。
警備員のビル防災に対しては熟知しているのですが一時避難所受け入れに対してはほぼ不可能に近い、これは配置体制の問題なども関係しており受け入れ態勢に関して隊長以外はほとんど知らないといった状態なっている。
隊長は総責任者であるため受け入れ委会議に参加しているが、それ以外の警備員に教育か浸透がされていなかったのです。
つまり、会議後において資料は机の上において閲覧しないさいと云った具合で、それ以外に説明教育と云ったものがないのが確認できた為、昼に地震が発生した場合にはオーナー企業様が直接行う事になり、防災センターは設備管理と建物周りの警備のみとなってしまいました。
18時以降に関しては、受け入れはしないと云う事が決定するという最悪状態が決定してしまったのです。
警備会社は準大手とは言え、このように教育が出来ない、OJTが出来ない、防災センターの設備員と隊長以外は防災セットなどの備品、食料などがどこにあるのか、部屋割り、区分の仕方、設営などが出来ないと云うのですから話になりません。
防災センターに勤務する者は、防災センター要員資格や上級救命講習、自絵師消防技術試験認定者であるのですが、避難所設営・運営などに関しては、教育と云った時間が取れにくいことが判明したのです。
これは警備員が悪いわけではなく、全員参加と云う意識を植え付ける事が出来ない体制に問題があると云う事なのです。
このように警備員の場合は時間が取れにくい、つまり一時避難所の受け入れ要員には難しく、避難者の部屋などの警備に振り分けたほうが運営が上手く行く事が分かりました。
業務が違う事を認識して頂ければわかるとは思いますが、意外かもしれませんが出来ないものは出来ないんです。
官公庁や大手企業などの正面玄関で非接触型体温計で熱を墓をっている警備員を見るため、我が社の警備員も出来るのでは?これは契約等の問題が有って警備上の契約の中に入っているかどうかでしょうね。
どうしても契約上納問題は出てきます、此れには警備員の配置の問題にも絡むため避けられない問題です。
このような問題の観点からB社においては警備員での対応を諦め社員が全て行う事に、社員が帰宅した後については受け入れはしないという判断になったのです。
大震災時の一時避難者受け入れに対して上記に記して有るように、東日本大震災を想定している体制では対応が出来ないと云う事です。
このブログを読んでいる企業人の皆さん、震災時に対応するのはあなたかも知れません。其れもいつ来るか分からない大震災、もしかした明日かも知れません。
参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
一般社団法人東京防災設備保守協会 防災センター要員講習テキスト
東京都首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 事業所における帰宅困難者対策ガイドライン
総務省消防庁 防災マニュアル
防災対策推進検討会議 自動車で安全かつ確実に避難できる方策
気象庁・局地的大雨から身を守るために 防災気象情報の活用の手引き
内閣府 防災情報のページ
環境省 人とペットの災害対策ガイドライン
長野県諏訪地域振興局 長野県魅力発信ブログ
月間総務オンライン 総務辞典
読売新聞埼玉版
東京消防庁
東京海上日動リスクコンサルティング株式会社
より
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新型コロナウイルスに追われている東京都、病院は一泊しているという中で大震災が起きてしまったら・・・・と何度もこのブログでも警告はしていますが、対策は追いついているとは言えない。
官民挙げての対策強化を図る事が大切なのですが、現状コロナ禍では対策の立てようがないのではないでしょうか。。
一時避難対策所運営に関しても、新型コロナウイルスの蔓延によって対策の変更を余儀なくされている為、現状の受け入れ態勢で良いのか、誰にも分からないのです。
病院での受け入れ状況がTVで放映されているが民間の一時待避所ではあのように防護服を着てマスクにフェースシールド、非接触式検温、退避者の署名に関する筆記具等の消毒や、部屋割り、今までの1人当たり1.8㎡から3~4㎡に変更にしているが換気と云う点ではまだ不安が残ります。
なぜならば、近代ビルでは窓が開かない施設が多いと云う事と、冬場の場合、外調機やロスナイ等を使用出来るのかが分からないのではないでしょうか。
これは自家用発電機の電気が喚起に使用できるのかが分からないと云う事であって、使用できる場合には問題は無いだろうが、部屋によっては外調機やロスナイが設置されているとは限らないため大型扇風機等での喚起などを考える必要がある、此れには早期の確認が必要であろう。
一時避難者の部屋割りに対して、その施設によっては熱がある方の受け入れを拒否することも有り得る、これは受け入れ態勢が出来居ない事によって、多くの人への感染拡大(クラスター化)が懸念されると判断した止むを得ない結果ではないでしょうか。
但し、受け入れる場所の提示や案内等は出来るはずで、そのような措置に対しては誰も責める事は出来ないと思う、会社としての社会的立場もあるだろうが止むを得ない場合もあある、その為にも公的避難所(福祉避難所等)の場所の確認、及び説明が出来るようにして置くことは大事なのです。
2011年3月の東日本大震災時に首都圏では、約515万人(2020年では約650万人)の帰宅困難者が出たと推計されています。
此処に東京海上日動リスクコンサルティング株式会社がまとめた資料をご紹介いたします。
(リスクマネージメント最前線)
大規模地震発生時に「移動する」リスク
首都直下地震の概要
大都市圏における大規模地震として、首都直下地震を例に考える。「移動する」リスクについては、他の地域の大都市圏においても同様の事態が起きると想定されるため参考にされたい。
(a) 地震の揺れによる被害
イ.揺れによる全壊家屋:約175.000棟、建物倒壊による死者:最大 約11.000人
ロ.揺れによる建物被害に伴う要救助者:最大 約72.000人
(b)滋賀地下際の多発と延焼による被害
イ.焼失:最大 :約412.000棟 建物倒壊等と合わせ最大: 約610.000棟
ロ.死者:最大 :約16.000人 建物倒壊等と合わせ最大: 約23.000人
(c)インフラ・ライフライン等の被害
イ.電力:発災直後は約5割の地域で停電。1週間以上の不安定な状況が続く。
ロ.通信:固定電話・携帯電話とも輻輳の為9割の通話規制が1日以上継続。メールは遅配が生じる可能性。携帯基地局の非常用電源が切れると停波。
ハ.上下水道:都区部では約5割が断水。約1割で下水道の使用が出来ない。
ニ.交通:地下鉄は1週間、私鉄・在来線は1ヶ月程度、開通までには時間を要する可能性。
主要路線の道路啓開には少なくとも1~2日を要し、その後、緊急交通路として使用。
都市部の一般道は、がれきによる狭小、放置車両等の発生で深刻な交通マヒが発生。
ホ.港湾:非耐震岸壁では多くの施設で機能が確保できなくなり、復旧には数カ月を要する。
ヘ.燃料:輸送所・製油所において備蓄は有るものの、タンクローリーの不足、深刻な交通渋滞等により、非常用発電用の重油を含め、軽油、ガソリン等の消費者への供給が困難となる。
*:インフラ等においては東日本大震災時において、電話の輻輳、計画停電、ガソリンの購入のためにガソリンスタンド(GS)での長蛇の列、ガソリンが枯渇したGSが発生。スーパーでの商品不足、病院での非常用発電燃料が不足したためにタンクローリーを病院に横付けして供給、自衛隊による水の供給、駅には帰宅困難者の混乱などが記憶に新しいのではないでしょうか。
(b)帰宅困難者の重要性
(a)東日本大震災の際の帰宅困難者
震源は首都圏から遠く離れた三陸沖であったが、首都圏で約515万人の帰宅困難者が発生した。
(b)膨大な帰宅困難者がもたらす問題
首都直下地震発生時の帰宅困難者は東京都内だけで380~490万人、東京都市圏(東京+茨城・埼玉・千葉・神奈川)では640~800万人に上ると想定されている。
大規模地震発生時には、救命救助活動、消火活動、緊急輸送活動等の応急活動を迅速・円滑に行う必要がある。
公共交通機関が運行を停止している中で、大量の帰宅困難者が徒歩により一斉帰宅を開始した場合には、緊急車両の通行を妨げになる可能性が有り、応急活動に支障を来すことが懸念されている。
(2)首都直下地震がもたらす危険
東日本大震災は首都圏にも多くの被害をもたらしたが、それでも1都3県(東京・埼玉・千葉・神奈川)の大部分における震度は5強以下であった。
首都直下地震では東京都内においても最大震度7を記録する事が想定されており、首都圏においては東日本大震災をはるかに上回る規模の被害が発生しえるため「東日本大震災の時と同じレベルでは考えてはいけない」と云う認識が必要である。
以上抜粋
このように、地震の規模の大きさも被害も東日本大震災時と同じレベルではないと云う事を認識し、改めて対策を講じていかなければならないのだ。
私が参画していた企業においては、既に対策が講じられている所もあるし、今だに対策どころか責任の押し付け合いで全く進展してい居ない所もある。(帰宅困難者受け入れ態勢が決まらない功罪(3))
此れには様々な問題もあるが、過去に紹介したBと云う企業においては地震には最前線に立たなければならない警備会社自体の参加が難しいと云う事が分かりました。
警備員のビル防災に対しては熟知しているのですが一時避難所受け入れに対してはほぼ不可能に近い、これは配置体制の問題なども関係しており受け入れ態勢に関して隊長以外はほとんど知らないといった状態なっている。
隊長は総責任者であるため受け入れ委会議に参加しているが、それ以外の警備員に教育か浸透がされていなかったのです。
つまり、会議後において資料は机の上において閲覧しないさいと云った具合で、それ以外に説明教育と云ったものがないのが確認できた為、昼に地震が発生した場合にはオーナー企業様が直接行う事になり、防災センターは設備管理と建物周りの警備のみとなってしまいました。
18時以降に関しては、受け入れはしないと云う事が決定するという最悪状態が決定してしまったのです。
警備会社は準大手とは言え、このように教育が出来ない、OJTが出来ない、防災センターの設備員と隊長以外は防災セットなどの備品、食料などがどこにあるのか、部屋割り、区分の仕方、設営などが出来ないと云うのですから話になりません。
防災センターに勤務する者は、防災センター要員資格や上級救命講習、自絵師消防技術試験認定者であるのですが、避難所設営・運営などに関しては、教育と云った時間が取れにくいことが判明したのです。
これは警備員が悪いわけではなく、全員参加と云う意識を植え付ける事が出来ない体制に問題があると云う事なのです。
このように警備員の場合は時間が取れにくい、つまり一時避難所の受け入れ要員には難しく、避難者の部屋などの警備に振り分けたほうが運営が上手く行く事が分かりました。
業務が違う事を認識して頂ければわかるとは思いますが、意外かもしれませんが出来ないものは出来ないんです。
官公庁や大手企業などの正面玄関で非接触型体温計で熱を墓をっている警備員を見るため、我が社の警備員も出来るのでは?これは契約等の問題が有って警備上の契約の中に入っているかどうかでしょうね。
どうしても契約上納問題は出てきます、此れには警備員の配置の問題にも絡むため避けられない問題です。
このような問題の観点からB社においては警備員での対応を諦め社員が全て行う事に、社員が帰宅した後については受け入れはしないという判断になったのです。
大震災時の一時避難者受け入れに対して上記に記して有るように、東日本大震災を想定している体制では対応が出来ないと云う事です。
このブログを読んでいる企業人の皆さん、震災時に対応するのはあなたかも知れません。其れもいつ来るか分からない大震災、もしかした明日かも知れません。
参考文献および資料
認定特定非営利活動法人日本防災士機構 防災士教本
一般財団法人日本消防設備安全センター 自衛消防業務講習テキスト
一般社団法人東京防災設備保守協会 防災センター要員講習テキスト
東京都首都直下地震帰宅困難者等対策協議会 事業所における帰宅困難者対策ガイドライン
総務省消防庁 防災マニュアル
防災対策推進検討会議 自動車で安全かつ確実に避難できる方策
気象庁・局地的大雨から身を守るために 防災気象情報の活用の手引き
内閣府 防災情報のページ
環境省 人とペットの災害対策ガイドライン
長野県諏訪地域振興局 長野県魅力発信ブログ
月間総務オンライン 総務辞典
読売新聞埼玉版
東京消防庁
東京海上日動リスクコンサルティング株式会社
より